ドゥカティといえば、リヤホイールにカーボンパーツを付けてきましたね。何でしょうかあれは(笑)。以前にもホイールをカバーするような試みはあって、普通に考えればスポークによる乱流を抑えて回転方向の抵抗を減らし、最高速を高める狙いなのだろう。
自転車の世界でいうディスクホイールと同じような効果を狙っているのだとすれば、パワーを食う、横風に弱いといったデメリットもあるのだろうが、「ちょっとでも……!」を狙うドゥカティの地道な努力はスバラシイと思う。ただ、今回のムジェロではマルケス+RC213Vがストレートでもドゥカティを食う勢いを見せた。マルケス優勢は続きそうだ。

さて、私事ですが……。今年も鈴鹿8耐に参戦します! チームの正式名称は「MotoMap S.W.A.T.(モトマップ スワット)」。ライダーは豪州スーパーバイク選手権チャンピオンのジョシュ・ウォータースと、イギリス選手権で活躍するダン・リンフット、そしてワタシ青木宣篤。マシンはスズキGSX-R1000R L8で、すでに合同テストに参加し手応えは上々! 大黒柱のジョシュは相変わらずの速さだし、鈴鹿8耐に2度の参戦経験があるダンもコンスタントに好タイムをマーク。そしてワタシも日々トレーニングで追い込み、コンディションを高めています。

今年の鈴鹿8耐EWCクラスは、ホンダとヤマハの全面戦争の様相だ。特にCBR1000RRのハードとしての仕上がりは目覚ましく、全日本ロードJSB1000でも高橋巧がライバルを寄せ付けない強さを見せている。
ただ、モノが良ければ勝てるわけではないのが鈴鹿8耐の難しさ。ライダーのコンビネーションとチーム力もかなり大切だ。ジョナサン・レイとレオン・ハスラム、そしてトプラク・ラズガットリオグルのKawasaki Racing Teamもかなり手強そうだが、やはり経験値が豊富で盤石な体制のYAMAHA FACTORY RACING TEAMに一日の長がありそう。
ただ、ヤマハも安穏とはしていられないのも確か。例年以上に緊張感の高いハイスピードバトルが展開しそうだ。我々MotoMap S.W.A.T.も、SSTクラス優勝と総合トップ10を狙います。ぜひとも鈴鹿サーキットに足を運んでの応援、よろしくお願いします!
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■青木宣篤

1971年生まれ。群馬県出身。全日本ロードレース選手権を経て、1993~2004年までロードレース世界選手権に参戦し活躍。現在は豊富な経験を生かしてスズキ・MotoGPマシンの開発ライダーを務めながら、日本最大の二輪レースイベント・鈴鹿8時間耐久で上位につけるなど、レーサーとしても「現役」。