MotoEの決勝はMoto3の決勝前に設定されており、日曜日最初のレースとなる。決勝レースの気温は13度、路面温度が18度。この週末で最も低い気温、さらに冷たい風が吹くなかで始まった。朝方には小雨がぱらついていたザクセンリンク。MotoEの決勝レースを迎える10時には路面状況はダンプコンディションながら、すべてのライダーがスリックタイヤを選択している。
MotoEの周回数は各サーキットの全長によって設定され、ザクセンリンクでは当初は8周とされていた。しかし路面コンディションを鑑み、1周減算されて7周で行われることになった。



オープニングラップでトップに立ったのは7番手スタートのブラッドリー・スミス(ワン・エナジー・レーシング)。しかし、そんなスミスをマイク・ディ・メリオ(エストレージャ・ガルシア・0,0・マーク・VDS)、そしてポールポジションスタートのニキ・トゥーリ(アジョ・モータースポーツMotoE)が追う。トゥーリは3周目、4周目と連続してファステストラップをたたき出すと、4周目にはスミスを交わしてトップに浮上。
4周を終えて、トップはトゥーリ、2番手はスミス、3番手にはディ・メリオ。この3人が0.5秒以内でワンパックとなって周回が重ねられる。内燃機関のバイクとは違い、体が震えるようなエキゾーストノートはないものの、甲高いキィーン、という音ともに接戦のトップ争いが展開された。


しかし6周目、ロレンツォ・サバドーリ(トレンティーノ・グレシーニMotoE)が8コーナーでエリック・グラナド(アビンティア・エスポンソラーマ・レーシング)と接触し、転倒。サバドーリは自身で立ち上がったが、マシンはエアフェンスに突っ込んだ。このクラッシュにより、6周目に赤旗が提示されてレースは終了。5周を終えた時点での順位が結果となった。
MotoE史上初のウイナーとなったのは、ポールポジションスタートのトゥーリ。2位はスミス、3位はディ・メリオで、表彰台を獲得している。

ついに開幕した電動バイクによるチャンピオンシップ、MotoE。第11戦オーストリアGPで第2戦を迎える。