更新日: 2020.02.13 14:00
ザクセンリンクで開幕戦を迎えた電動バイクレースMotoE、ライダーたちが語るマシンの課題とリスク
1990年代から2000年代にかけてWGPで活躍してきたジベルナウ。2ストロークから4ストロークにマシンが変化した時代を経験してきたことを踏まえて、電動バイクも同じように興味深いマシンだと言う。
「僕は2ストロークマシン、4ストロークマシンに乗り、今は電動バイクで戦っている。僕にとって、すべてがおもしろいマシンなんだ。それぞれのマシンでチャンピオンシップを戦ってきた」ジベルナウはそう語ったあと、少しおどけた風に「……まあ、それはつまり、それだけ僕がベテランってことなんだけどね」と笑った。
決勝レースでは抜群の好スタートを決めてトップ争いを演じ、2位表彰台を獲得したブラッドリー・スミス(ワン・エナジー・レーシング)は決勝レース後の会見場で、レーススタート時の音について語った。スミスは2019年シーズン、アプリリアのテストライダーを務めながら、同時にMotoEにエントリーしている。
「とても奇妙だったよ。バイクの音がまったくしないんだから。ただじっと、ライトが消えるのを待ったんだ」
また、スミスは6周目の8コーナーで起こったロレンツォ・サバドーリ(トレンティーノ・グレシーニMotoE)のクラッシュに触れた。レースはサバドーリのマシンがエアフェンスに突っ込む形となったこのクラッシュにより、赤旗が提示されて終了となっている。なお、サバドーリ自身に大きな怪我はなく、マシンが炎上するなどの大きな損害はなかった。
「6ラップ目にクラッシュが起こった。けれど、これはいつでも起こることだ。僕たちはマシンの重さというリスクを承知している。けれど、それについて考えることはできない。レースをすることが仕事だからね。ただ、(レースには)危険があることはわかっている」
「それについて何ができるのか。現時点ではできることは多くはないけれど、オーガナイザーやセーフティコミッションと、現状について話し合い続けることはできる。何が必要で、どのように管理すべきか。最初のレースで最初のクラッシュが起こった。ここから学んでいくだろう」
3人のライダーの話によると、内燃機関のバイクと変わらないおもしろさはあるものの、大きな違いはマシンの重さ、といったところだろうか。ついに開幕戦を迎えた電動バイクレース、MotoE。新たに誕生したこのチャンピオンシップの今後を見守りたい。
MotoEの第2戦は、8月9~11日、オーストラリアのレッドブル・リンクで開催のMotoGP第11戦オーストラリアGPに併催で行われる。