デイビスとは反対に、厳しい形で前半戦最後のレースを終えたのがバウティスタだ。バウティスタは第8戦イギリスでレイにチャンピオンシップのポイントランキングで逆転を許した。第9戦アメリカでは、最低でも表彰台を獲得しなければならなかったはずだ。しかし、バウティスタは3レースすべてをノーポイントで終えた。
レース1ではトップのレイ、2番手のデイビスに次いで3番手を走行中の5周目5コーナーで転倒。レースには復帰したが、17位という結果に終わった。

「ここ数戦は運の悪いレースが続いている。今日のクラッシュは理由がよくわからない。あのとき、限界まで攻めていたわけじゃなかった」
バウティスタはレース1の転倒についてそう振り返っている。
翌日に行われたスーパーポール・レースでは、トプラク・ラズガットリオグル(ターキッシュ・プセッティレーシング)と接触し、転倒。その直後、8コーナーで発生したクラッシュにより赤旗中断となったが、再開後のレースには出走しなかった。
バウティスタがラズガットリオグルと接触したのはオープニングラップの2コーナー。イン側にポジションをとっていたバウティスタのフロントタイヤと、アウト側を走っていたラズガットリオグルのリヤタイヤが接触し、バウティスタがフロントを失ってクラッシュする形となった。
バウティスタはこの転倒により、骨折はなかったものの左肩を痛めた。レース2には出走したものの、この負傷により自らリタイアを選択することになる。

「残念なことに、1周目を終えて、レースをするには痛みがひどいということがわかったんだ。左腕に力が入らず、左手でブレーキ(サムブレーキ)をすることができなかった。それで、ピットに戻ることにしたんだ」
「家に戻ったら、左肩の靭帯について詳しい検査をうけるつもりだ。次のレースまで2カ月間の休みがあるのは幸運なことだった。しっかり回復できるだろう」と、バウティスタはサマーブレイク前の負傷だったことを前向きにとらえている。
とはいえ、チャンピオンシップでレイとの差は81ポイントにまで広がった。ポルトガルから始まる後半戦は4戦。第10戦ポルトガルは、バウティスタにとって大事な一戦となりそうだ。
