ダリーニャ:程度の差はあるが、これらのバイクはもちろん似ている。
Q:では、なぜホンダはドゥカティと同じ問題を抱えていないのか? 彼らはバイクに何か異なることをしているからか? それとも彼らにはマルク・マルケスがいるからか?
ダリーニャ:正直なところ、そのことはホルヘ(・ロレンソ)と話す必要があるね。なぜなら我々のバイクに昨年乗っていたのは彼だからね(笑)。

Q:インライン4(直列4気筒)とV4のMotoGPマシンには双方に強みと弱みがある。V4がインライン4と同じくらい速くコーナリングをすることは可能か?
ダリーニャ:(長い沈黙の後)正直なところ、コーナリングスピードに関しては、インライン4にアドバンテージがあると思う。V4を使うのなら、この問題があることを理解しておかねばならない。この問題の影響をできる限り減らすためにセットアップを調整する必要がある。
Q:アンドレアはフロントタイヤのポップアップ(ライダーがブレーキをリリースすると、タイヤにかかる荷重が減り、タイヤが元の形状に戻ろうとして接地面が少なくなること)について多く語っている。この件について彼を助けるか、それとも彼次第のことなのか?
ダリーニャ:セットアップについては何かしらできることがある。だがほとんどはライダーの手でどうにかすることだ。なぜならどれだけ早くブレーキをリリースするかによって、どれだけ早くタイヤへの荷重を減らすかが決まるからだ。
Q:現在ではフロントタイヤの接地面についてコンピュータによるモデリングを行なっていますか?
ダリーニャ:そうだね、我々はMegaRide社(タイヤパフォーマンスのコンピュータモデリングを専門とするイタリア企業)とともに作業を行なっている。だが現在のソフトウェアは、接地面について本当に優れたシミュレーションをするには十分ではない。
Q:ダッシュボードにはバンク角度の測定機器がついているか?
ダリーニャ:あるよ。みんなつけていると思う。それは予想バンク角度で、実際のバンク角度ではない。長年にわたり、我々はバンク角度をより正確に推定する、さまざまなアルゴリズムの開発を行なってきた。これは大きく進歩し、ライダーにとって大いに役に立つものになっている。

Q:では、ライダーは走行中にバンク角度を確認しているのですか?
ダリーニャ:そのとおりだ。ある種の推定を行なっている。バイクの平均バンク角度や、ライダーのポジションなどだ。たとえば、ダニロ(・ペトルッチ)のバンク角度は、アンドレアとは違う。なぜなら彼らは同じコーナリングスピードを出すために、異なるボディポジションとバンク角度で走るからね。
Q:2016年まで、ファクトリー製電子制御と、予測精度の高いソフトウェアなどを使っていた。あなたは現在の共通ソフトウェアの方を気に入っているか?
ダリーニャ:確かにそちらの方がより面白いよ。それに誰もがおかしなアルゴリズムのものを使っていた2015年以前よりも、ライダーとバイクのパフォーマンスは近づいている。
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バイクを本当にコントロールするのはライダーであるべきだ。ライダーだけがバイクを速くすることができるのだ。トラクションコントロールや他のコントロールができることには限りがある。もしバイクのコントロールをソフトウェアに任せたら、ラップタイムが遅くなることは確かだ。だからライダーが感触を掴むことが重要なのだ。