一方、それぞれ役者は違うとはいえ、第11戦オーストリアGPではアンドレア・ドヴィツィオーゾ(ドゥカティ・チーム)に、そしてイギリスGPではリンスに最終コーナーで敗れたマルケス。
「一度、ペースを落としてリンスを先に行かせてみようと思ったんだけど、彼はそうしなかった。(マーベリック・)ビニャーレスも迫っていたから、攻め続けたんだ」と言う。さらに「最終コーナーではフロントがスライドしたから、アクセルを緩めなくてはいけなくて、リンスに交わされてしまった」とも最後の勝負に敗れた要因を語った。

マルケスにしてみれば、自分の戦略にリンスがうまくはまらず、最後はフロントがスライドしたためにやられてしまった……ということのようだ。「チャンピオンシップを考えると、この結果は満足」と言いながらも「レースという点では、最後まで僕がリードしていながら優勝できなかったのだから、最高の気分というわけにはいかない」と悔しさをにじませている。
レースが終わったあと、クールダウンラップでリンスはマルケスに握手を求めた。マルケスが応じたあと、リンスは両手をかざし、ガッツポーズで走り去る。マルケスは悔しさを抑えきれないように、大きく上体をのけぞらせて天をあおいだ。レース後のこのふたりのシーンが、互いの心情をよく表していた。