2020年のMotoGPクラスのシートはザルコが離れたKTM以外、事実上埋まっている。ザルコの来季に関しては、MotoGPクラスでのテストライダー、Moto2クラスへの参戦、スーパーバイク世界選手権(SBK)など他のカテゴリーへの転向が選択肢となるが、何も決まっていない状態だという。
「もちろん、MotoGPクラスにレギュラー参戦することが第一希望だが、現状を見れば、MotoGPマシンの感覚を維持するためにはテストライダーがベストな選択肢だと思う。その場合でも現役を引退した後のテストライダーというのではなく、レギュラーライダーとして復帰することをめざす立場として臨む。ただ、テストライダーという選択は、年間20レースを走れないという点では疑問符が残る」
「もう一度、Moto2クラスに参戦するというのも選択肢のひとつだ。いいチームでタイトルを争うことができれば、現役ライダーとしてのスキルを維持することができる。SBKについては選択肢のひとつとしてはあるが、MotoGPクラスに参戦することが第一目標だから、MotoGPシリーズのパドックに止まっていたい」

ザルコの離脱表明で、KTMも来季のファクトリーチームの空いたシートを巡って混乱している。テストライダーを務めるダニ・ペドロサの現役復帰という話も出たが、ペドロサ自身はこれを否定。オリベイラのファクトリーへの昇格の可能性もある。
MotoGPクラス参戦4シーズン目となる2020年に向けて、KTMはMoto2クラスのシャシー開発を終了し、開発リソースをよりMotoGPクラスに集約する体制を発表したばかりだった。ザルコの動向と共に、KTMの来季の体制についても注目が集まる。