当初はサマーブレイク明けのチェコGPでの復帰を目指していたが、予想以上に回復に時間がかかり、ロレンソが復帰したのは第12戦イギリスGPからとなった。レースに復帰したとはいえ、体調は万全ではなく、ここからさらに下位に低迷することになる。シーズン序盤では最大でも20秒ほどだったレースタイムのトップ差が、40秒台、50秒台と大きくなり、シーズン中盤に見えた光は遠のき、ロレンソはまだ暗く長いトンネルのなかから抜け出せずにいる。
移籍直後のテストでの初ライドは順調だった。しかし、2019年のマシン仕様を決める最も重要な開幕前のセパンテストをケガで欠場したことが、第一のつまずきだった。復帰してからも体調が万全ではなかったことが判断を難しくし、調子を取り戻し攻めると転倒に見舞われたことで、ロレンソ自身、ライディングに迷いが生じ、マシンに対する信頼感を失っているようだ。

「問題はひとつだけではない。今年はフィジカル面で100%の状態で参戦したことがない。まずは自分の体調を100%に戻すことが重要だ。マシン面ではフロントのフィーリングを改善したい」とロレンソ。
契約は2020年いっぱいまで残っている。サマーブレイク前後には移籍のうわさも出たが、それに対しては否定。ヤマハからドゥカティに乗り換えたときも、1年目は苦戦したものの、2年目には見事な復活を果たしているロレンソ。2019年シーズンの残り4戦は来季に向けても重要な戦いとなる。