更新日: 2019.11.08 21:26
MotoGP:ウイーク前から自信を覗かせていたビニャーレス。13番手から2位を得たマルケスのタイヤ選択
「今日のところはとりあえずいい仕事ができたと思う。FP3(フリー走行3回目)が絶好調で、予選Q2でも今の自分にできることはすべてやり切った。わずかコンマ1秒差の2番手なので十分に満足している。明日はさらに前進し、決勝では1コーナーでトップに立って、序盤から全力でプッシュしていきたいと思う」
決勝ではビニャーレスが1周目からトップに立ち、マルケスも好スタートで1周目のコントロールラインを2番手で通過。しかし、この時点でビニャーレスとは0.485秒の差があり、さらにマルケスはジャック・ミラー(プラマック・レーシング)と接戦のポジション争いを余儀なくされたことでペースを上げられず、ミラーを振り切るのに序盤の3周あまりを費やし、ようやく単独2番手となったときには、ビニャーレスに約1秒半ほどのリードを取られていた。
5周目にベストラップを記録して追い上げるかに見えたマルケスだったが、序盤のバトルでタイヤを消耗しており、ビニャーレスとの差を縮めることはできない。さらにミスもあってその差はさらに広がり、ビニャーレスの独走を許してしまった。
ビニャーレスは終盤、マルケスに約3秒半のリードをとって、オランダGP以来となる2019年シーズン2勝目を記録した。「金曜日からしっかりと準備を整えてきた」とビニャーレスは決勝レースを振り返る。
「1周目を終えた時点で大きな可能性を感じることができた。序盤からリードを広げ、そのあともプッシュし続けた。本当にいい仕事ができた。前回のオーストラリアも勝てると思って臨んだレースだったが、とても悔しい思いをした。それだけに今日こうして優勝できたことがうれしい」
一方、最終的に2位でフィニッシュしたマルケスは「すばらしいレース、すばらしい1周目だった。2015年のムジェロでは予選13番手から追い上げたが、それに並ぶ最高のレースだったかもしれない」とコメント。
「昨夜、去年のレースの自分の走りを見て、どういう走りをしたかを思い出した。今日はとてもいい1周目になったが、最初の3周でタイヤが消耗してしまい、少しタイムを落した。ビニャーレスは僕たちより速いペースで走っていたから、今日の目標を表彰台獲得にしたんだ」
決勝は前日のほぼ同時間帯の予選よりも9度ほど路面温度が高く、ビニャーレスを含めてほとんどのライダーが前後ミディアムタイヤをチョイスしたが、マルケスは序盤にポジションを挽回するためにリアにソフトタイヤを選んでいた。レース終盤はストレートでもリアタイヤがスピンするような状況だったというが、この選択が2位表彰台を引き寄せたとも言えるだろう。
ビニャーレスはこの勝利でアレックス・リンス(チーム・スズキ・エクスター)を交わしてランキング3位に浮上した。マルケスは獲得ポイント数を395ポイントとし、MotoGPクラスの年間最多獲得ポイント記録を更新。次戦の最終戦バレンシアGPは、ビニャーレスにとっても、マルケスにとってもホームレースとなる。