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■2ストローク500ccは「本当にコントロールが難しい」

 クラッチローが現在乗っているホンダRC213Vは250馬力以上のパワーを発揮するため、彼は1989年型NSRのパワーに驚きはしなかったが、エンジンのパワーの生み出し方には驚嘆した。

「500ccは本当にコントロールが難しい。操作するのがとても難しいんだ」とクラッチロー。

「最後のターンや、ここのヘアピンの立ち上がりでは、フロントタイヤがすごく速く出ようとするから、リヤブレーキを多用してフロントタイヤを抑えなければならない。僕たちのバイクには(ウイリーを減らすための)電子制御がついている。だからもしウイリーしたければ、電子制御を抑える」

デモランの前にシート位置を確認するカル・クラッチロー
デモランの前にシート位置を確認するカル・クラッチロー

「違いは、どれだけ馬力をコントロールできるかということだね。旧型の500ccでは馬力がコントロールできないように感じる。だから右手首での操作とクラッチのコントロールがすべてなんだ。これはまったくの別物だよ!」

「2ストロークのパワーバンドについてみんなが話していることは知っていたが、でも何も分かっていなかった! 正直なところ、スロットルを開けすぎるつもりはなかった。ターン1と2のあたりの、ダブルエイペックスの右カーブでは、もう少し自信が持てたように感じたけれど、あのバイクでレースをしていたレーサーたちのようには走れなかった」

「彼らにはクイックシフターすらなかったんだ。当時はどのようにクラッチをリリースするか、どのようにシフトアップやシフトダウンをするか真剣に考えなければならなかった。これは本当に特別なことだ」

「このバイクに乗っていると、今自分が持っているものが当たり前だと思っていることに気づくよ。NSRの乗り方は、まるでモトクロスバイクに乗るような感じだ。なぜならすべてを手でやらなければならない。すべてが自分自身の手にかかっているんだ。奇妙な感じだけど、素晴らしいよ。このバイクは速いし快適で見事なものだ。でも自分がこのバイクで1989年にレースをするところは想像できないけどね!」

 2ストローク500ccのバイクは、さらに大型のMotoGPバイクが2002年に登場するまでは、バイクレースにおける最高峰だった。しかし、市販されているホンダCBR600RRのエンジンを搭載したMoto2バイクのエンジン、シャシー、タイヤ、電子制御の開発が非常に早く進められたため、2010年にMoto2バイクは500ccよりも速く周回できるようになった。

カル・クラッチロー
カル・クラッチロー

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