■1989年優勝者:ドミニク・サロン/アレックス・ビエラ組(Beamsホンダ・ウィズ・イクザワ:RVF750)
ホンダの最新のRVF750は、1989年の鈴鹿8耐でも圧倒的優位に立ち、ポールポジションを獲得、ファステストラップを叩き出してトップ1-2を占めた。しかしながら、このレースでホンダにとってドラマがなかったわけではなかった。
チームHRCのRVFに乗るGPライダーのガードナー/マイケル・ドゥーハン組は優勝候補だった。ガードナーがポールポジションを獲得し、ドゥーハンがラップレコードの新記録を打ち立て、超高速のペースを出していた。オーストラリア出身のふたりは、あと3時間を残すところで、はるか前を走っていたが、ドゥーハンがバックマーカーともつれあい、激しくクラッシュしたのだ。
それによりサロン/ビエラ組が首位に立ち、2位の宮崎祥司/大島正組(チーム・ブルーフォックス:RV750)に1周差をつけてフィニッシュラインを超えた。
■1991年優勝者:ワイン・ガードナー/マイケル・ドゥーハン組(チームHRC:RV750)
1989年と1990年にミスを犯してから、ようやくガードナー/ドゥーハン組は彼らの初勝利をともに飾った。ピットでは伝説的なホンダ・フランスの耐久レースクルーが彼らの面倒を見ていた。
またしてもふたりは超高速ペースを出しており、ケビン・マギー/ダグ・チャンドラー組と首位争いをしていた。終盤にマギーが厳しい状況に追い込まれたため、ガードナーとドゥーハンはマギーとチャンドラーを追い抜き、3周差をつけた。3位に入ったのは、クノールカップスープからRVF750に乗ったカール・フォガティ/スティーブ・ヒスロップ組だった。

■1992年優勝者:ワイン・ガードナー/ダリル・ビーティ組(OKIホンダ:RVF750)
ガードナーはオートバイレースから引退する数カ月前に、鈴鹿8耐で4度目にして最後の優勝を飾った。1992年の鈴鹿8耐でガードナーのチームメイトを務めたのは新進気鋭のオーストラリア人であるビーティだった。
ふたりは優勝するために激しく戦ったが、チームHRCのライダーで同じくホンダRVF750に乗る伊藤真一/辻本聡組からプレッシャーをかけられていた。最後の30分でビーティが予定外のピットストップを行い、追い上げてきた伊藤が数秒以内に迫るのを許してしまった。しかし伊藤は他のマシンがこぼしたオイルに乗り転倒を喫した。
元500ccと250ccクラス世界王者フレディ・スペンサー/鶴田竜二組(ミスタードーナツ・オクムラ:RVF750)のすぐ前で、武石伸也/岩橋健一郎組(チーム・ブルーフォックス:RVF750)が3位につけて表彰台に上がった。