Eri Ito

 10周で争われるスーパーポール・レースは気温28度、路面温度43度のドライコンディションで始まった。ホールショットを奪ったのはレイ。そこにレディングが続くが、序盤に早くもラズガットリオグルが2番手に浮上する。3番手にレディング、4番手にファン・デル・マーク、5番手にバズが続き、オープニングラップを終える。

 レイは2周目には1分39秒186のファステストラップを記録。2番手のラズガットリオグルとの差は約0.5秒で、この差は次第に広がっていく。ラズガットリオグルには3番手のレディングが、さらにレディングの後方にはファン・デル・マークが続く。

 7周目、ラズガットリオグルのマシンに異変が発生。ラズガットリオグルはストレートで左手を上げるとそのままコースアウト。自身でピットに戻ったが、リタイアとなった。パタ・ヤマハ・ワールドSBKオフィシャルチームとしては、前日のファン・デル・マークに続くマシントラブルによるリタイアである。

 ラズガットリオグルがリタイアしたことにより、レディングが2番手に浮上。その約1秒後方に、ファン・デル・マークが3番手で続く。レイはその後も独走を守り、2020年シーズン2勝目を挙げた。2位はレディング、3位はファン・デル・マークが入り、ファン・デル・マークは今季初表彰台を獲得している。

 4位はバズ、5位はデイビスが続いた。チームHRCのハスラムは9位、バウティスタは10位で、MIEレーシング・アルティア・ホンダ・チームの高橋は22位フィニッシュだった。

 スーパースポーツ世界選手権(WSS)のレース2後に行われたSBKのレース2は気温37度、路面温度60度のドライコンディションで行われた。スーパーポール・レースの結果により、レイがポールポジション、2番グリッドがレディング、3番グリッドがファン・デル・マークというフロントロウ。

 好スタートを切ったのはポールポジションからスタートしたレイ。2番手にレディング、3番手に4番グリッドスタートだったバズが続く状況。スーパーポール・レースでリタイアとなったラズガットリオグルは10番グリッドスタートながら、オープニングラップでポジションを上げ、3番手のバズを交わす。

 さらにトップのレイもレディングにオーバーテイクされ、2周目にはトップがレディング、2番手レイ、3番手ラズガットリオグル、そこにデイビス、ロウズ、バズ、ファン・デル・マーク、ギャレット・ガーロフ(GRTヤマハ・ワールドSBKジュニアチーム)が続く状況だ。

 レディングは2周目に1分40秒545のファステストラップをマーク。少しずつ2番手の例を引き離していく。3周目を終えるころには、レディングとレイとの差は約1秒に広がった。4周目、デイビズがラズガットリオグルをとらえて3番手に浮上。レイの背中を追う。ラップタイムはレイが1分41秒前半、対するデイビスは1分40秒後半。デイビスは5周目の9コーナーでレイのインを突き、オーバーテイク。2番手にポジションを上げ、トップを走るチームメイトのレディングを追う。

 一方、レイはラズガットリオグル、そしてチームメイトであるロウズとともに、激しい3番手争いを展開。少し離れてバズ、ファン・デル・マークが追っていたが、バズは7周目、13コーナーで転倒を喫した。

 3番手はレイ、ラズガットリオグル、ロウズの三つどもえの争いとなった。8周目、ラズガットリオグルがレイのインにマシンをねじ込み、オーバーテイク。ラズガットリオグルが先行する形で周回を重ねていく。

 10周目を終えるころには、トップのレディングは2番手のデイビスに対し約2秒のアドバンテージを築いていた。デイビスは3番手のラズガットリオグルに対し、約3秒の差を広げている。3番手争いはラズガットリオグルが次第に抜け出し、レイ、ロウズの4番手争いに、マイケル・ルーベン・リナルディ(チーム・ゴーイレブン)が加わろうとしていた。

 13周目、リナルディがロウズを交わして5番手に、14周目の最終コーナーではレイを交わすと、4番手に浮上した。レイは、さらに残り4周でロウズに交わされ、6番手に後退してしまう。

 レディングは独走を守り、そのままトップでチェッカーを受けた。レース1に続く2勝目を挙げている。2位はデイビスで、Aruba.it レーシング-ドゥカティのふたりがワン・ツーを達成した。3位にはラズガットリオグルが入っている。

 4位はドゥカティのリナルディ。トップ5までに3人のドゥカティライダーが入った。一方、カワサキ・レーシングチーム・ワールドSBKは5位はロウズ、6位はレイと、表彰台を逃す結果となった。チームHRCのバウティスタは8位、ハスラムは12位。高橋は7周目に5コーナーで転倒を喫し、リタイアだった。

 また、WSSに参戦する大久保光(Dynavolt Honda)は、レース1、レース2ともにリタイア。レース2では転倒を喫し、メディカルセンターに運ばれたのち、検査のために病院に搬送された。本人のSNSによれば、大きな怪我はなかったということだ。

 スーパースポーツ世界選手権300(WSS300)では、岡谷雄太(MTM Kawasaki MOTOPORT)がレース1で4位フィニッシュ。3位とは0.055秒の僅差だった。レース2では何度もトップを走り、表彰台争いを展開していたが、9周目に転倒。惜しくもリタイアという結果となった。

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