タイヤのグリップ低下が注目されるレース終盤、多くのライダーのラップタイムが落ち始める。クアルタラロは次第にアドバンテージを広げていき、独走態勢を築く。そうしたなか、ラインを外した3番手のミラーを交わし、代わってミルが3番手に浮上。さらに13番グリッドから5番手にまでポジションを上げていたアレックス・リンス(チーム・スズキ・エクスター)が、残り5周でミラーの背後に迫る。
ラップタイムはわずかにリンスのほうが速い。そしての残り5周の10コーナーで、リンスがミラーをとらえた。ミラーを交わしたリンスは、4番手に浮上する。
さらに前を走るチーム・スズキ・エクスターのミルは、モルビデリと2番手争いを展開。残り2周で、その差は0.1秒を切った。ミルは残り2周、1コーナーのブレーキングで挙動を乱しながらもモルビデリの前に出ると、2番手に浮上。さらにモルビデリはリンスにも交わされ、ミルが2番手、リンスが3番手でラストラップを迎えた。
レースをリードするのは依然としてクアルタラロ。クアルタラロはポジションを譲ることなく、トップでチェッカーを受けた。クアルタラロにとっては、第3戦アンダルシアGP以来の勝利。2020年シーズン3勝目を挙げて、チャンピオンシップでもランキングトップに躍り出た。
2位フィニッシュはミル、3位はリンス。スズキ勢ふたりが表彰台に上った。リンスは13番グリッドから3位フィニッシュの大躍進だ。また、スズキとして2015年にMotoGPクラスに復帰して以来初めて、ライダーがふたりそろっての表彰台獲得となった。
モルビデリは終盤のペースダウンが響き、4位。5位にはミラーがはいった。中上貴晶(LCRホンダ・イデミツ)は終盤、ミラーや6位のフランセスコ・バニャイア(プラマック・レーシング)に迫る走りで、7位フィニッシュ。前戦ウイナーのビニャーレスはまさかの9位に沈んだ。



