更新日: 2020.10.15 13:24
渾身の走りで批判をはねのけたアレックス・マルケス/MotoGP第10戦フランスGPレビュー
「18番グリッドからのスタートは簡単ではなかったが、とてもいいフィーリングがあった。カル(・クラッチロー)とポル(エスパルガロ)、そしてドビ(アンドレア・ドヴィツィオーゾ)とのバトルで少しタイムを落としたが、それ以外ではいい走りだったと思う。チームにとってすばらしい結果となった。常に僕を信じてくれて、一生懸命がんばってくれたチームに感謝したい。僕もチームも決してあきらめなかった。午前中のドライのウォームアップでもいいフィーリングがあったので、すべてをうまくコントロールできたと思う。すばらしい週末だった」とアレックスはレースを振り返る。
マルクとは、常にタイヤの選択とコントロールについて相談しているという。しかし、今回はスタート直前に降り出した雨のため、マルクと相談する時間はなかった。FP1こそウエットで走ったものの、MotoGPマシンでのウエットの走行は昨年の11月のテスト以来だった。そして、いきなりウエットとなった決勝でアレックスは快走を見せた。
「もし、今日マルクが走っていたら?」と聞かれたアレックスは、「彼のことをプッシュしただろうね」と笑顔で答えた。
兄のマルクもアレックスに「すべての仕事には常に報酬がある。だれもが自分のやり方、スタイル、哲学で目標を目指して戦っている。最も重要なことは自分の夢に従うこと。おめでとうアレックス、この素晴らしいチームでMotoGPの最初の表彰台を獲得できたことは僕にとっても素晴らしいことだ」と祝福のメッセージを送っている。
レーシングライダーには新しい環境で、いきなり結果を残せるものと、少しずつステップアップしていく2タイプが存在する。マルクは前者、アレックスは後者に当たるだろう。しかし、アレックスは一度ステップアップすればそこから後退することはないタイプのライダーであることは、これまでの結果が証明している。今後、アレックスがどのように成長していくのかに注目が集まる。