予選Q1は気温20度、路面温度22度。天候はかなり回復したが、路面状況はいまだウエットのまま始まった。決勝レースでピットレーンスタートが確定しているビニャーレスは、タイミングを遅らせてコースイン。その間にオリベイラがトップ、ステファン・ブラドル(レプソル・ホンダ・チーム)が2番手につける。
後半のアタックで、オリベイラは自身のタイムをさらに更新してトップをキープ。2番手にはバニャイアが浮上するが、そのタイムをブラドルが上回り、2番手を奪還。そしてセッション終盤、ザルコがオリベイラのトップタイムには0.05秒及ばなかったものの2番手に浮上し、オリベイラとザルコがこのセッションをトップ2で終え、Q2に進出した。
アレックス・マルケス(レプソル・ホンダ・チーム)は14番手、予選日からヨーロッパGPに参戦しているバレンティーノ・ロッシ(モンスターエナジー・ヤマハMotoGP)は18番手だった。
Q2が始まるころになると、走行ラインは路面が乾き出している様子が見受けられるようになる。しかしスリックタイヤを履くほど路面は回復しておらず、ライダーたちはレインタイヤで出走した。
前半のアタックではミルがまずトップタイムをマーク。その後すぐに、中上、モルビデリがミルのタイムを更新し、さらにアレックス・リンス(チーム・スズキ・エクスター)が1分41秒254を記録してトップに立つ。
中上は後半のアタックに入ると、1分40秒530を叩き出してトップを奪還。残り時間3分を切って、ミラーが2番手、ミルが3番手。クアルタラロは予選でも苦戦を強いられ、11番手という状況。
残り時間2分、リンスが中上のタイムを0.005秒更新して再びトップに立つ。2番手につけていた中上は14コーナーでクラッシュを喫するが、再び走行に加わった。
さらに残り時間が1分を切ったところでP.エスパルガロが1分40秒434を叩き出し、トップに浮上する。P.エスパルガロはこのままトップをキープし、ウエットコンディションのなかで2020年シーズン2度目のポールポジションを獲得した。
2番手はリンスで、今季ベストグリッドを獲得。中上は終盤の転倒により最後にタイムを更新できなかったものの、3番手を守り、2戦連続でフロントロウに並んだ。
4番手は最後のアタックでタイムを伸ばしたザルコ。ミルは5番手で2列目に並ぶ。一方、クアルタラロは終始上位に浮上できず、まさかの11番手。4列目から決勝レースを迎えることになった。
翌日の決勝レースはドライコンディションが見込まれているが、ここまでスリックタイヤで走行したのは、完全なドライでも完全なウエットでもないダンプコンディションだった初日のフリー走行2回目のみ、という状況である。決勝日午前中のウオームアップセッションが重要になるだろう。



