2020年シーズン、MotoGPクラスは新型コロナウイルス感染症の影響によりカタールGPでのレースが行われていない。今大会の予選は2年ぶりのカタールGPポールシッターをかけた戦いとなった。予選Q1は気温28度、路面温度30度。ディフェンディングチャンピオンのミル、中上、そしてKTMの4ライダーなどが、Q2進出をかけて争う。
前半のアタックではミルがトップ。さらにルーキーのホルヘ・マルティン(プラマック・レーシング)が2番手タイムを記録し、このふたりに次ぐ3番手には中上がつける。
残り時間が5分となるころ、後半のアタックが始まった。エネア・バスティアニーニ(エスポンソラーマ・レーシング)がトップに躍り出るが、そのタイムをすぐさまミルが更新。バスティアニーニのタイムをわずか0.005秒上回り、トップに立つ。
トップがミル、2番手がバスティアニーニ。しかし最後のアタックで、中上が最速タイムを記録した。ミルのタイムを0.151秒上回る1分53秒577をマーク。最後のアタックでトップの座を奪った中上、そして2番手のミルがQ2進出を決めた。
バスティアニーニは惜しくも3番手だったが、ルーキーながらポテンシャルを見せ、さらに4番手には同じくルーキーのマルティンがつけている。一方、KTM勢はQ2に進めず、開幕戦はオリベイラの15番手が最上位のグリッドという苦しい予選となった。
続いて2021年シーズン最初のポールポジションをかけたセッション、Q2が始まった。最初に1分53秒台のタイムを記録したのはバニャイア。計測した最初のラップでオールタイムラップ・レコードを更新する1分53秒273をマークすると、クアルタラロ、ビニャーレス、モルビデリという3人のヤマハライダー、さらにミラーも続いてレコードブレイクのタイムを記録。序盤からハイレベルなタイムアタック合戦となった。このなかでトップに立ったのは、1分53秒038を記録したクアルタラロである。
後半のアタックではバニャイアが再びトップに浮上。ここで1分53秒を切り、1分52秒772を叩き出した。バニャイアはこの最速タイムでMotoGPクラス自身初となるポールポジションを獲得。開幕戦のポールシッターとなった。
2番手はクアルタラロ、3番手はビニャーレスで、ヤマハのファクトリーライダーふたりが並び、さらに4番手にバレンティーノ・ロッシ(ペトロナス・ヤマハSRT)が続いている。バニャイアのチームメイト、ミラーは5番手、6番手にはザルコがつけ、2列目までをドゥカティとヤマハが占める結果となった。
好調さを見せていたアプリリアのアレイシ・エスパルガロは3列目8番グリッドを獲得。チーム・スズキ・エクスターのふたりはアレックス・リンスが9番手、ミルが10番手。ただし、スズキは2020年、この位置から追い上げるレースを何度も見せている。そしてQ1からQ2進出を果たした中上は11番手で、4列目からのスタートとなった。
2021年シーズンの幕開けとなるカタールGP決勝レースは、3月29日午前2時(日本時間)にスタートする。



