Eri Ito

 トップは依然としてマルティンだが、後方を引き離すまでは至らず2番手ザルコ、3番手リンス、4番手アレイシ・エスパルガロ、5番手フランセスコ・バニャイア(ドゥカティ・レノボ・チーム)、6番手ミル、7番手ジャック・ミラー(ドゥカティ・レノボ・チーム)などほとんど連なった状態で周回を重ねていく。

 レース中盤の12周目ごろになると、ドゥカティ・レノボ・チームのバニャイアとミラーが4番手、5番手に浮上。3番手のリンスを挟んでドゥカティの4人のライダーが上位5に付ける。13周目にはバニャイアがリンスを交わし、トップ3がドゥカティライダーとなった。この周回にはミラーとミルが交錯し、さらに14周目に入ったメインストレートでもお互いのマシンサイドが接触。審議の対象となったが、ペナルティは下されなかった。

 このころ、後方から追い上げてきたのがクアルタラロで、4番手につけ、さらに3番手のバニャイアに迫る。クアルタラロは16周目、1コーナーでバニャイアがラインを外し大きくはらんだため3番手にポジションを上げることに成功した。

 残り周回数が5周となっても接戦の優勝、表彰台争いが続いていた。マルティンはここまで一度もトップを譲っていないが、同時にひとり抜け出すこともできなかった。そしてこの周、ついにトップが入れ替わった。クアルタラロがザルコとマルティンを相次いで交わしたのである。さらに、ビニャーレスがザルコに襲い掛かった。しかしザルコも15コーナーでビニャーレスを交わす。そして続くメインストレートでは、ドゥカティ機を駆るザルコがビニャーレスに先行する。

 タイヤが厳しくなるこの終盤の残り5周あたりでは前戦、ビニャーレスがリヤタイヤをうまくマネジメントすることで最後には独走で優勝した。しかし今回はクアルタラロやマルティン、ザルコともに同じ轍を踏むことなく、この終盤に入ってもペースを落とすことなく激しいポジション争いを継続する。

 トップに立ったクアルタラロは、2番手のマルティンに対し0.5秒以上の差を築いた。わずか0.5秒ではあるが、ここまでときに0.1秒を切る僅差の超接近戦が展開されており、大きな差だと言える。

 最終ラップ、トップがクアルタラロ、2番手マルティン、3番手はザルコ。ザルコは最終セクターでマルティンをオーバーテイク。2番手で最終コーナーを立ち上がった。

 トップでチェッカーを受けたのはクアルタラロ。一時は9番手付近にまでポジションを落としたが、見事な追い上げで優勝を飾った。2位はザルコで、開幕戦に続き2戦連続の2位表彰台を獲得。そして3位のマルティンは、ルーキーにして初の表彰台に上った。

 4位は最終ラップにビニャーレスを交わしたリンスで、5位は一時表彰台争いに迫ったビニャーレス。ミラーと交錯したミルは7位でのフィニッシュでレースを終えた。

 また、ブラッド・ビンダー(レッドブル・KTM・ファクトリーレーシング)が8位フィニッシュ。前戦はKTM勢としてオリベイラの13位が最上位だったが、KTM勢としては前戦よりも上位の結果となった。ホンダ勢の最上位は、ポル・エスパルガロ(レプソル・ホンダ・チーム)で13位。中上貴晶(LCRホンダ・イデミツ)は、終始ペースに苦しみ17位だった。

2021年MotoGP第2戦ドーハGP ファビオ・クアルタラロ(モンスターエナジー・ヤマハMotoGP)
2021年MotoGP第2戦ドーハGP ファビオ・クアルタラロ(モンスターエナジー・ヤマハMotoGP)

2021年MotoGP第2戦ドーハGP決勝 優勝:ファビオ・クアルタラロ、2位:ヨハン・ザルコ、3位:ホルヘ・マルティン
2021年MotoGP第2戦ドーハGP決勝 優勝:ファビオ・クアルタラロ、2位:ヨハン・ザルコ、3位:ホルヘ・マルティン

2021年MotoGP第2戦ドーハGP決勝レース
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