マルク・マルケスは完全復活の道半ばにいる。体の状態は完ぺきというわけにはいかず、初日フリー走行2回目では「いつものように走れないと感じた」と言う。体の状態と相談しながら、体力をセーブしつつレースウイークを進めていた。
「いつもとは違い、数周だけプッシュした。バイクの上での自分の体の位置を理解するために走ったんだ。そして、すぐに筋肉の力が欠けているように感じた。特に上腕三頭筋と肩の後ろ。そしてひじの位置もいつもとは違っていた」と、フリー走行2回目について語っている。
そして、フリー走行3回目。マルク・マルケスは大クラッシュを喫した。メディカルセンターのあとに病院へ向かい、心配されたがフリー走行4回目までには戻り、その後のセッションには参加した。さすがのマルク・マルケスも不安だったようだ。
「遅かれ早かれ、クラッシュすることはわかっていた」としながらも、「何が起こったのかはっきりと覚えていなかったから、少し怖かった。少し動揺していた」と言う。このクラッシュはマルク・マルケスの予選に影響を与えた。
「フロントにソフトタイヤを履いた。クラッシュしたからだ。ソフトタイヤなら、(クラッシュした7コーナーのような)左コーナーでも安全に感じるだろうと思ったからなんだ。でも、ミスだった。リスクを考えたタイヤを選んだのだけど、パフォーマンスについては考えていなかった。Q1が始まってすぐ、フロント(ソフト)が限界だということがわかった。ピットに入ったけど、もう変更の時間はなかった」
しかし、こうしたなかでマルク・マルケスは、少しずつバイクについての改善点を感じ始めていた。マルク・マルケスはそのポイントについて、予選後にこう述べている。
「昨年と比べて、シャシーが異なるとしてもかなり違ったセッティングで走っている。ひとつのパッケージからほかのものに変えることはそう簡単なことじゃない。もしシャシーやセッティングで強みがあったとしても、バイクの旋回とリヤタイヤの動きが足りない」
「僕はフロントに集中しているのだけど、リヤタイヤの動きについても理解する必要がある。バイクを起こし、スライドさせるのは僕の強みのひとつだから。でも今はそうできない。だから、その部分について取り組んでいる」
さらに、決勝レース後には「特に僕たちがロスしているのは、コーナーの立ち上がり。通常は速く安定してはしりたいところでロスしている」と言及した。
マルク・マルケスは第4戦スペインGPを、9位フィニッシュで終えた。自身の回復とともに、少しずつホンダRC213Vの苦戦の原因にも取り組み始めている。マルク・マルケスは確かな復帰の道を歩んでいるようだ。
