残り周回数は10周を切り、トップはミラー。2番手はクアルタラロ、3番手はザルコ。それぞれほぼ単独での走行である。しかし、2番手のクアルタラロに対し、3番手のザルコはラップタイムが1秒ほど速い状況で、毎周その差を詰めていった。
残り7周、クアルタラロとザルコとの差は1秒を切った。クアルタラロのラップライムは上がらず、その差は歴然。ザルコは残り6周目に差し掛かるメインストレートでクアルタラロを難なく交わし、2番手に浮上。クアルタラロは3番手に後退した。
このころになると路面はかなりドライコンディションに近い状況。トップ3が単独走行でポジションをキープするなか、4番手はアレックス・マルケスとフランセスコ・バニャイア(ドゥカティ・レノボ・チーム)、ダニロ・ペトルッチ(テック3・KTM・ファクトリーレーシング)によって三つどもえの争いが展開される。
バニャイアはこの集団の先頭を走っていたアレックス・マルケスをメインストレートで交わし、4番手に浮上。ミラー同様にピットレーンのスピード超過によりダブル・ロングラップ・ペナルティを受けたバニャイアだったが、見事な追い上げでポジションを上げた。
天候により大荒れの展開となったフランスGPのチェッカーを先頭で受けたのは、ミラー。ミラーはクアルタラロを交わしたあと独走体勢を築いて、2連勝を挙げた。
2位はザルコで、今季3度目の2位表彰台を獲得。3位はスペインGP後に腕上がりの手術を受けたクアルタラロ。ザルコ、クアルタラロというふたりのフランス人ライダーが母国グランプリで表彰台に立っている。
4位はバニャイア、5位はペトルッチで6位がアレックス・マルケスだった。中上は一時表彰台圏内の3番手を走行したが、マシンを乗り替えたあとにペースが上がらず、最終的に7位でレースを終えた。



