レース中盤の12周に入ってもクアルタラロのトップは変わらず、2番手のザルコに約3秒のアドバンテージを築いて独走状態。2番手のザルコと2番手のオリベイラは約0.2秒から0.3秒の差を保ったまま周回を重ねていた。このオリベイラに、次第に追い付きつつあったのが4番手に浮上したミル、そしてミルの後ろにつける5番手のリンスである。オリベイラとミルの差は約1秒あったが、ミルは周回ごとにその差を削っており、14周目には約0.8秒にまで縮め、15周目には2番手のザルコを筆頭に5番手のリンスまでが集団となった。

 16周目、ついにオリベイラがザルコをとらえ、2番手に浮上する。3番手に後退したザルコはオリベイラについていくことができず、17周目には11コーナーでミルに交わされ、さらにその翌周にはリンスにも交わされて5番手にポジションダウン。ミルが3番手、リンスが4番手に浮上した。

 残り5周、トップは依然としてクアルタラロ。序盤にトップを奪って以来、ひとり旅を続けている。2番手はオリベイラだったが3番手のミルが背後に迫る。ミルのすぐ後ろにはリンスが続いていたが、残り4周の15コーナーで、スリップダウン。イタリアGPのレースウイークは全体的に好調を維持していただけに痛恨のリタイアとなった。

 さらに残り3周、8番手を走っていた中上が14コーナーでクラッシュ。15番グリッドから序盤にポジションを上げ、粘りのレースを展開していたが、転倒によりリタイアでレースを終えることになった。

 こうしたなか、トップでチェッカーを受けたのはクアルタラロ。序盤にトップに立ってからは独走態勢を築き、2番手に3秒の差をつけて今季3勝目を挙げた。

 2番手でフィニッシュしたのはオリベイラ、3番手はミルだったが、当初はオリベイラが最終ラップの5コーナー立ち上がりでトラックリミットを超過したことで1ポジション降格と伝えられた。しかしその後、ミルも同じく最終ラップの5コーナー立ち上がりでトラックリミットを超過していたことから、最終結果はフィニッシュ順で変わらず、2位がオリベイラ、3位がミルとなった。

 ミルは今季2度目の表彰台獲得。オリベイラは今季初のポディウムで、KTMにとっても2021年シーズン初めてとなる表彰台獲得だった。

 4位はザルコ、5位はビンダーが入り、予選でQ1突破ならず13番手からスタートしたマーベリック・ビニャーレス(モンスターエナジー・ヤマハMotoGP)は8位。母国グランプリでスペシャルヘルメットを投入したバレンティーノ・ロッシ(ペトロナス・ヤマハSRT)は11位でレースを終えた。

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