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投稿日: 2016.12.09 12:51
更新日: 2016.12.09 13:02

Moto3 16年シーズンレビュー:ビンダ―が最短で王者獲得。幻に終わった尾野の表彰台


MotoGP | Moto3 16年シーズンレビュー:ビンダ―が最短で王者獲得。幻に終わった尾野の表彰台

 開幕戦カタールGPで勝利を飾ったニッコロ・アントネッリ(ホンダ)は、それ以降振るわず、ランキング11位でシーズンを終えた。雨となった第2戦アルゼンチンGPでグランプリ初優勝を飾ったルーキーのカイルール・イダム・パウィ(ホンダ)は、同じくウエットの第9戦ドイツGPで2勝目をマークしたが、浮き沈みも激しく、ランキング19位でシーズンを終えた。

 また、ウエットとなったチェコGPで優勝したジョン・マクフィー(プジョー)も、オーストラリアGPでの転倒負傷により、シーズン終盤の2戦を欠場、ランキング22位に終わった。

尾野弘樹
尾野弘樹

 日本勢では尾野弘樹(ホンダ)がランキング23位。尾野は日本GPでポールポジションを獲得、決勝でも3位でチェッカーを受けたが、決勝後の再車検で最低重量違反により失格となり、グランプリ初表彰台は幻に終わってしまった。

 シーズン前半は転倒が多かった尾野だが、シーズン後半は決勝中の転倒はなく、上位争いに加わり、最終戦バレンシアGPの予選ではフロントロウ3番グリッドを獲得した。鈴木竜生(マヒンドラ)は18戦中7戦でポイントを獲得し、ランキング27位でシーズンを終えた。

 今シーズンのMoto3クラスは、ビンダー、バスティアニーニ、ナバーロ、バニャーヤ、ミル、フェナティ、アントネッリ、パウィ、マクフィーと9名のウイナーが誕生したが、その中でもビンダーが安定して速く、ランキング2位以下のライダーの取りこぼしが多かったこともあり、ビンダーが独走し、チャンピオン争いは早めの決着となった。いっぽうでトップ10のなかにミル、ジャンアントニオ、ブレーガと3名のルーキーが入っており、いずれもグランプリ初年度から表彰台に立つ活躍を見せた。

 2017年に向けては、ビンダー、ナバーロ、バニャーヤらがMoto2クラスにステップアップ。バスティアニーニはエストレア・ガリシア0.0に、アントネッリはレッドブルKTMアジョに移籍。フェナティもオンゲッタ・リバコールドからMoto3クラスに復帰する。来季はベテラン勢と2年目のルーキーの戦いに注目が集まる。

 また、鈴木はSIC58スクアドラ・コルセに移籍、ホンダNSF250RWを駆ることになった。SIC58スクアドラ・コルセは故マルコ・シモンチェリの意志を継いで結成されたチームで、世界グランプリには2017年からフル参戦する新規チームだ。

 さらにアジアタレントカップ初代(2014年)チャンピオンの鳥羽海渡がホンダ・チーム・アジアから、同2015年チャンピオンで、2016年のレッドブル・MotoGPルーキーズカップでもタイトルを獲得した佐々木歩夢がSICレーシングチームからフル参戦することが決定。鳥羽、佐々木共に今年はMoto3ジュニア世界選手権で活躍を収めてきたライダー。佐々木は今年のマレーシアGPで負傷欠場のバスティアニーニの代役としてMoto3クラスデビューを飾っている。

 ダニ・ペドロサらを育てたアルベルト・プーチによるアジア人若手ライダー育成プロジェクトのアジアタレントカップ出身者がいよいよグランプリデビューを果たす。


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