MotoGP:通算9度の王者“生ける伝説”バレンティーノ・ロッシのプロフィールと戦績
■プロフィール ※2021年第9戦終了時点
バレンティーノ・ロッシはイタリア マルケ州ウルビーノのタヴッリアで育った。父はロードレース世界選手権ライダーだったグラツィアーノ・ロッシ。MotoGPクラスに参戦しているルカ・マリーニ(スカイ・VR46・アビンティア)は異父弟にあたる。
幼いころからゴーカートを走らせ、その後ミニバイクにも乗る。1995年にはイタリア選手権125ccクラスでチャンピオンを獲得、ヨーロッパ選手権125ccクラスではランキング3位を獲得すると、翌年からロードレース世界選手権への参戦を開始する。
1996年は125ccクラスでデビューを飾った。ルーキーイヤーはアプリリアのマシンで1勝と3位表彰台を1度獲得してランキング9位。1997年には15戦中11勝を挙げて125ccクラスのチャンピオンに輝くと翌1998年シーズンからは250ccクラスにステップアップした。
250ccクラスでもアプリリアのマシンを駆り、1年目は14戦中5度の勝利を含む9度の表彰台でランキング2位、2年目の1999年シーズンは16戦中9勝を含む12度の表彰台でタイトルを手にして翌2000年から最高峰クラスに昇格した。
2000年、最高峰クラスは2ストローク500ccマシンで争われており、ロッシはホンダNSR500で500ccクラスのデビューを飾った。この年ロッシは、ルーキーイヤーにしてシーズン後半に2勝を挙げ、ランキング2位を獲得している。
2001年、ロッシは16戦中11勝を挙げて最高峰クラスのチャンピオンを獲得。この年は2ストローク500ccマシンのみで争われた最後のシーズンで、ロッシは500ccクラス最後のチャンピオンとなった。
翌2002年からは4ストローク990ccマシンを使用するMotoGPクラスがスタートし、2ストローク500ccマシンとの混走で争われた。ホンダの4ストローク990ccマシンRC211Vを駆るロッシは、16戦中11勝を挙げてMotoGPクラス最初の王者となり、125ccクラス、250ccクラス、500ccクラス、そしてMotoGPクラスでタイトルを獲得したライダーとなった。
2003年は16戦中9勝を記録し、ホンダで連覇したロッシだったが、2004年にヤマハへ移籍。ホンダRC211VからヤマハYZR-M1に乗り替えた。移籍後初レースとなった第1戦南アフリカGPで優勝を飾ると、16戦中9勝を挙げてチャンピオンを獲得。ヤマハに12年ぶりのタイトルをもたらした。ロッシは続く2005年シーズンも王者に輝き、最高峰クラス5連覇を達成した。
しかし、2006年にはホンダのニッキー・ヘイデン、2007年にはドゥカティのケーシー・ストーナーにタイトルを譲ることになりランキングは5勝で2位と4勝で3位。しかし、2008年は18戦中9勝を挙げてタイトルを奪還。翌2009年も6勝で連覇を果たすと、最高峰クラスで7度目、ロードレース世界選手権で通算9度目のチャンピオンを獲得した。
2010年は第4戦イタリアGPのフリー走行で転倒を喫して右足を骨折。イタリアGPを含む4戦を欠場してランキング3位で終え、チームメイトのホルヘ・ロレンソがタイトルを獲得した。
この年でヤマハを離れ、2011年はドゥカティへ移籍。ドゥカティで過ごした2011年、2012年は苦戦が続き、1勝も挙げられず、2シーズンで3度の表彰台にとどまった。そして、ロッシは2013年より、ヤマハに舞い戻ることを決定した。
2013年はマルク・マルケス(レプソル・ホンダ・チーム)が最高峰クラスデビューを果たす。ロッシは1勝でランキング4位となる。2014年は18戦中2勝を含む13度の表彰台でランキング2位を獲得。続く2015年はチームメイトのロレンソとともにシーズン終盤まで接戦のタイトル争いを展開した。
しかし、第17戦マレーシアGPの決勝で、ロッシとマルケスが接触して、マルケスが転倒リタイア。この接触でペナルティが科され、最終戦バレンシアGPを最後尾からスタートすることになる。ロッシは4位まで追い上げたが、優勝したロレンソがチャンピオンを獲得しランキング2位に終わった。
2016年は2勝を含む10度の表彰台でまたもランキング2位。以降は成績を上げられず、2017年は1勝でランキング5位、2018年以降は優勝を挙げられずランキング3位、2019年はランキング7位で終えた。
2020年シーズンの開幕前、ヤマハは2021年からファクトリーチームに、マーベリック・ビニャーレスとファビオ・クアルタラロを迎えることを発表。同時に、ロッシはファクトリーチームの布陣から外れることが明らかとなった。
そんなロッシは、9月にヤマハのサテライトチームであるペトロナス・ヤマハSRTから1年契約で参戦することを発表。ファクトチーチームのラストイヤーである2020年は1度の3位表彰台でランキング15位となった。
2021年はファクトリー仕様のヤマハYZR-M1の供給と技術サポートを受け、ペトロナス・ヤマハSRTから参戦しているが、前半の9戦を終えて最高順位は10位、ランキングは19位となっている。とはいえ、世界中のファンを魅了し続け、絶大な人気を誇り、最も注目を集めるライダーのひとりであることは間違いないが、2021年限りでの現役引退を2021年8月5日に発表した。
■名前:バレンティーノ・ロッシ(Valentino Rossi)
■生年月日:1979年2月16日(現在42歳)
■出身地:イタリア マルケ州 ウルビーノ
■ゼッケンNo:46
■ワールドチャンピオンシップタイトル
通算:9回
MotoGP/500cc:7回(2001・2002・2003・2004・2005・2008・2009)
250cc:1回(1999)
125cc:1回(1997)
■グランプリ優勝
通算:115回
MotoGP/500cc:89回
250cc:14回
125cc:12回
■グランプリ表彰台
通算:235回
MotoGP/500cc:199回
250cc:21回
125cc:15回
■グランプリ ポールポジション
通算:65回
MotoGP/500cc:55回
250cc:5回
125cc:5回
■レースファステストラップ
通算:96回
MotoGP/500cc:76回
250cc:11回
125cc:9回
■レース戦歴 ※2021年第9戦終了時点
シーズン | カテゴリー | バイク | レーススタート | ポールポジション | 1位 | 2位 | 3位 | 表彰台 | ポイント | ランキング |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1996 | 125cc | アプリリア | 15 | 1 | 1 | 0 | 1 | 2 | 111 | 9 |
1997 | 125cc | アプリリア | 15 | 4 | 11 | 1 | 1 | 13 | 321 | 1 |
1998 | 250cc | アプリリア | 14 | 0 | 5 | 3 | 1 | 9 | 201 | 2 |
1999 | 250cc | アプリリア | 16 | 5 | 9 | 2 | 1 | 12 | 309 | 1 |
2000 | 500cc | ホンダ | 16 | 0 | 2 | 3 | 5 | 10 | 209 | 2 |
2001 | 500cc | ホンダ | 16 | 4 | 11 | 1 | 1 | 13 | 325 | 1 |
2002 | MotoGP | ホンダ | 16 | 7 | 11 | 4 | 0 | 15 | 355 | 1 |
2003 | MotoGP | ホンダ | 16 | 9 | 9 | 5 | 2 | 16 | 357 | 1 |
2004 | MotoGP | ヤマハ | 16 | 5 | 9 | 2 | 0 | 11 | 304 | 1 |
2005 | MotoGP | ヤマハ | 17 | 5 | 11 | 3 | 2 | 16 | 367 | 1 |
2006 | MotoGP | ヤマハ | 17 | 5 | 5 | 4 | 1 | 10 | 247 | 2 |
2007 | MotoGP | ヤマハ | 18 | 4 | 4 | 3 | 1 | 8 | 241 | 3 |
2008 | MotoGP | ヤマハ | 18 | 2 | 9 | 5 | 2 | 16 | 373 | 1 |
2009 | MotoGP | ヤマハ | 17 | 7 | 6 | 5 | 2 | 13 | 306 | 1 |
2010 | MotoGP | ヤマハ | 14 | 1 | 2 | 2 | 6 | 10 | 233 | 3 |
2011 | MotoGP | ドゥカティ | 17 | 0 | 0 | 0 | 1 | 1 | 139 | 7 |
2012 | MotoGP | ドゥカティ | 18 | 0 | 0 | 2 | 0 | 2 | 163 | 6 |
2013 | MotoGP | ヤマハ | 18 | 0 | 1 | 1 | 4 | 6 | 237 | 4 |
2014 | MotoGP | ヤマハ | 18 | 1 | 2 | 6 | 5 | 13 | 295 | 2 |
2015 | MotoGP | ヤマハ | 18 | 1 | 4 | 3 | 8 | 15 | 325 | 2 |
2016 | MotoGP | ヤマハ | 18 | 3 | 2 | 6 | 2 | 10 | 249 | 2 |
2017 | MotoGP | ヤマハ | 17 | 0 | 1 | 3 | 2 | 6 | 208 | 5 |
2018 | MotoGP | ヤマハ | 18 | 1 | 0 | 1 | 4 | 5 | 198 | 3 |
2019 | MotoGP | ヤマハ | 19 | 0 | 0 | 2 | 0 | 2 | 174 | 7 |
2020 | MotoGP | ヤマハ | 12 | 0 | 0 | 0 | 1 | 1 | 66 | 15 |
2021 | MotoGP | ヤマハ | 9 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 17 | 19 |