更新日: 2021.08.16 04:40
MotoGP第11戦オーストリアGP:強まる雨、マシン乗り替え…混乱のレースをKTMのビンダーが制す
雨によってコンディションが変わっていったことで、トップ集団は大混戦となる。トップを奪ったマルク・マルケス、その後ろにはクアルタラロ、バニャイア、マルティン、ブラッド・ビンダー(レッドブル・KTM・ファクトリーレーシング)などが集団となって続く。
そして残り3周、レース展開は混乱を極めた。トップ集団のマルク・マルケスとバニャイア、マルティン、クアルタラロ、ジョアン・ミル(チーム・スズキ・エクスター)がマシン乗り替えのためにピットイン。一方、ビンダーは続行を決断。ビンダーがトップ、アレイシ・エスパルガロ(アプリリア・レーシング・チーム・グレシーニ)が2番手、そしてバレンティーノ・ロッシ(ペトロナス・ヤマハSRT)が3番手に浮上する。
残り周回数はほとんどない。上位を走るライダーはスリックタイヤでレースを続ける。レインタイヤに履き替えたライダーは、10番手のマルティンが最上位という状況だった。残り2周では、レインタイヤのマルク・マルケスが1コーナーでクラッシュを喫する。
雨はどんどん強くなっていった。しかしビンダーはスリックタイヤのまま、独走で最終ラップに入った。スリックタイヤを履いたライダーとレインタイヤを履いたライダーが混走するなか、最終ラップでレインタイヤを履いたバニャイアとマルティンがスリックタイヤを履いたライダーたちを交わしていく。
ビンダーはスリックタイヤで走り切り、大混乱のレースを制して今季初優勝。KTMのホームグランプリでの優勝となった。レース後、5度のトラックリミットを超えた走行があったとして、ビンダーに最終結果に3秒加算のペナルティが科されたが、2位のバニャイアに対し12秒以上の差をつけたゴールだったため、最終結果は変わらなかった。2位はバニャイア、3位はマルティンで、最終ラップでスリックタイヤ勢を交わしての表彰台獲得だった。
4位はミル、5位はルーキーのルカ・マリーニ(スカイ・VR46・アビンティア)で、マリーニは自己ベストリザルトを獲得。クアルタラロはレインタイヤに変更して7位、ロッシはスリックタイヤのまま8位でフィニッシュして、今季の自己ベストリザルトを獲得している。
中上はスリックタイヤのままレースを走り切り、13位。マシン乗り換え後に転倒したマルク・マルケスは、レースに復帰して15位だった。レースの終盤に強まった雨が、大きなドラマを生んだ第11戦オーストリアGPとなった。
また、Moto2クラスの決勝レースでは、今季からステップアップしたルーキー、小椋藍(IDEMITSU Honda Team Asia)が2位フィニッシュ。クラス初の表彰台を獲得している。