日曜日に行われたスーパーポール・レースでは、ラズガットリオグルとレディングが最終ラップまで激しい優勝争いを展開。軍配はラズガットリオグルに挙がり、2位はレディング、3位はレイだった。野左根は14位でレースを終えている。
レース2はスーパーポール・レースの結果により、ポールポジションにラズガットリオグル、2番グリッドにレディング、3番グリッドにレイが並んだ。野左根は16番グリッドからのスタート。また、スーパーポール・レースまで出走していたロウズは回復中の右手首の状態を理由にレース2を欠場している。
気温22度、路面温度41度のドライコンディションで始まったレース2で好スタートを切ったのは、ポールポジションのラズガットリオグル。3番グリッドからスタートしたレイが2番手に浮上してラズガットリオグルを追う。ラズガットリオグルとレイは1周目からオーバーテイクを繰り返し、激しいトップ争いを展開した。さらにそのレイの直後にはレディング、バッサーニが迫る。バッサーニは2周目にレディングをかわして3番手に浮上した。
2周目、ラズガットリオグルが8コーナーでラインを外してはらみ、そのすきをついてレイがトップに躍り出る。しかし3周目にラズガットリオグルがレイをオーバーテイク。レイからトップを奪還した。
ラズガットリオグルを先頭に、2番手のレイ、3番手のバッサーニ、4番手のレディングがトップ集団を形成。僅差のポジション争いを繰り広げる。さらにオーバーテイクを繰り返し、ポジションを入れ替えるトップ集団に、次第にマイケル・ファン・デル・マーク(BMWモトラッド・ワールドSBKチーム)やリナルディが迫りつつあった。
6周目には再びラズガットリオグルとレイが激しいオーバーテイク合戦を展開する。レースウイナー、そしてチャンピオンシップを懸けた激しいトップ争いは、しかしラズガットリオグルが僅差で先行して進んでいく。
そうしたなか、9周目にレディングがレイをかわして2番手に浮上すると、10周目の7コーナーでラズガットリオグルをもオーバーテイク。レディングがトップに立った。レディングはファステストラップを叩き出しながらトップを堅守。13周目にはファステストラップのレコードを更新するタイムを記録している。一方のラズガットリオグルは次第にレディングから遅れ始め、反対に3番手のレイとの差が詰まっていった。
2番手争いとなったラズガットリオグルとレイの争いは、残り8周でまたしても激化した。7コーナーでレイがラズガットリオグルのインに飛び込み、オーバーテイク、しかし、8コーナーでラズガットリオグルがレイをかわす。レディングはすでに1秒以上前方を走っており、2番手争いはラズガットリオグルとレイの一騎打ちとなった。
残り6周、1コーナーのブレーキングでレイがラズガットリオグルの前に出ると、先行することに成功した。レイを追いかけるラズガットリオグルだったが、次第にレイから離れていく。スーパーポール・レース終了時点のチャンピオンシップのポイント差で考えれば、ラズガットリオグルはレイに対し、34のマージンがある。
レディングは独走態勢を築き、トップでフィニッシュラインを通過。レディングにとって、第8戦カタルーニャ以来の優勝を飾った。
2位はレイ、3位はラズガットリオグルで、チャンピオンシップではランキングトップのラズガットリオグルが531ポイント、ランキング2番手のレイが501ポイントで、その差は30ポイントとなった。次戦は最終戦のインドネシア。レース1、スーパーポール・レース、レース2の3レースで優勝した場合、最大62ポイントを獲得できることから、チャンピオンシップは次戦に持ち越された。ただ、30ポイントという差は決して小さくはなく、ラズガットリオグルが依然として有利であることに変わりはない。一方のレイは逆転チャンピオンを目指して最終戦に挑むことになる。
4位でフィニッシュしたのはバッサーニ、5位はリナルディだった。野左根はポイント圏内の14位でレースを終えている。
スーパースポーツ世界選手権(WSS)では、チャンピオンシップでランキングトップにつけていたドミニケ・エガーター(テンケイト・レーシング・ヤマハ)がレース1で5位、レース2で3位表彰台を獲得。この結果、ランキング2番手のスティーブン・オーデンダール(エヴァン・ブロス.ワールドSSPヤマハ・チーム)とのポイント差が68ポイントとなり、最終戦で獲得できる最大ポイント数が50であることから、エガーターが2021年シーズンWSSチャンピオンに輝いた。
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SBK第12戦アルゼンチン:ラズガットリオグルが2勝。レイに30ポイント差をつけてタイトル争いは最終戦へ
Eri Ito