Eri Ito

「彼のMotoGPの最後のラップを特別な位置で楽しむチャンスに恵まれて、とてもラッキーだったと思っている。彼のライディングは素晴らしくて、信じられないほどだった。最終ラップでは彼のスピードが上がった。バレがMotoGPの最後の瞬間まで楽しみ、そして本当に感謝しているのがわかったんだ」

 MotoGPライダーとしての最後のレースに至るまで、ロッシは自分自身のレースを貫いた。ロッシは最後のレースに力を注いで演出し、まさに有終の美を飾ったのだった。それは、バレンティーノ・ロッシが9度のチャンピオンに輝いたバレンティーノ・ロッシである所以なのだろうと思わされるものだった。ロッシは冷めやらぬレースへの情熱を表すように、こうも語っていた。

「(MotoGPのキャリアが)終わってしまったことが悔やまれるよ。この週末はキャリアの最後のレースウイークではなく、シーズン最後のレースウイークのように思っているんだ。だからきっと、来週、来月にはもっときついだろうね。特に3月。みんなが(MotoGPのシーズンを)始めるときに、僕はそこにいないんだから」

■冠されたレジェンドの称号

 ロッシはロードレース世界選手権に参戦してきた26年間で9度のチャンピオンに輝き(うち最高峰クラスは7度)、MotoGPクラスで89勝、199回の表彰台を獲得した。通算432戦は、最多の出走回数だ。その輝かしい結果もさることながら、ロッシはMotoGPで自身が成し遂げたことがあると考えていた。

「僕のキャリアの中でもすごくポジティブだったのは、たくさんの人がMotoGPを、そしてキャリア初期から僕を追いかけてくれるようになったことだと思う」

「このスポーツはとても大きくなり、さらに有名になった。イタリアだけではなく、世界中でね。僕のキャリアのなかで、(MotoGPの)アイコンみたいな存在になれたことは大きな喜びだ。ライダーとして結果はすごく大事ではあるけれど、キャリアの中ではそれが最高のことだったと思っているんだ」

 世界中のMotoGPファンを魅了し続けてきたロッシは11月14日、MotoGPの殿堂入りを果たした。現役時代からすでに謳われていたとおり、レジェンドライダーとなったのだ。バレンティーノ・ロッシが引退し、ひとつの時代は幕を下ろしてしまったかもしれない。けれど、形は違ってもロッシは今後も人々を魅了する存在であり続けるのではないだろうか。

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