更新日: 2022.04.14 14:06
【ブログ】全日本ロード第1戦もてぎ(前編)JSB1000王者ヤマハの2022マシン特集/“ヘンタイ”カメラマン現地情報
さてここからは、ブレーキを見てみましょう。まずはリヤブレーキですがブレンボ製を装着しています。昨シーズンと比べて大きな変更はなさそうです。ホースがカバーされているので中身を確認することはできませんが、メッシュなのか、ゴムホースなのか、気になるところです。
では今回の目玉、フロントブレーキを見ましょう。こちら日本国内では中須賀克行車にのみ先行投入された最新型プロトタイプのブレンボ製フロントブレーキキャリパーになります。
この件に関しての関係者の口は重く、断片的な情報しか得られませんでしたが、つい最近になって完成したばかりのキャリパーで、同一製品が2022 EWCル・マン24時間の事前テストで使用されていたという情報も。
形状自体はMotoGPで使用されているキャリパーに近いですが、JSB1000はスチール製ディスクを使用するためブレーキアシスト機能はないようです。
すべての点において昨シーズンのブレーキシステムを凌駕する性能を発揮しているとのことですが、昨シーズン仕様がスプリント仕様、最新型はどちらかというと耐久向けをスプリント仕様に近付けたブレーキシステムという関係者の声も。
こちらは昨シーズン仕様の岡本裕生車のフロントブレーキキャリパー。中須賀克行車と比べると少し小振りに見えます。
中須賀克行車のフロントブレーキキャリパーを後方から見ます。事前想定ほど気温が上がらなかった開幕戦もてぎ、保温対策としてアルミテープで塞がれています。
関係者のコメントの中に「新型キャリパーはハードブレーキングを必要とするもてぎなどでの使用がベストで、バランスを考えるともしかすると第2戦の鈴鹿では、使用しない可能性もある」との話もありました。
ただ逆に考えると、このブレーキシステムを中須賀選手が使いこなし最適な車体バランスを見つけた場合、まさに“鬼に金棒”! 手が付けられなくなる事態も想定されます。ブレンボ社としては、今後テストを繰り返し、数年以内には全日本でもデリバリーを開始したい意向のようです。
ブレーキパッドも見てみましょう。関係者の話を総合するとパッドも新設計とのこと。剛性アップと放熱性を考えてのことでしょうか、パットベース部分のギザギザが目を引きます。ピストン径自体は昨シーズンのモノより小さく感じます。
こちらが岡本裕生車の昨シーズン仕様のブレーキパッド。中須賀克行車と見比べると面白いと思います。
皆様、いかがだったでしょうか。新たに若手ライダー、ベテランメカニックを迎え開発・継承作業の中で完成の域に達しつつあるヤマハYZF-R1 JSB1000仕様。最新のブレーキシステムを手にした中須賀克行がこのまま無双っぷりを見せつけ突っ走るのか、はたまた岡本裕生がうっちゃるのか、チーム内同士のバトル、目が離せません。