更新日: 2022.09.06 11:49
【レースフォーカス】スマートに、コンスタントに。己に集中し勝利をつかんだバニャイア/MotoGP第14戦サンマリノGP
チャンピオンシップリーダーであるクアルタラロは、5位でゴール。
「あれが限界だった。100パーセントの力を出し切ったのがわかっているから、怒りよりもがっかりしている気持ちの方が大きいよ。あれ以上は戦えなかった。でも僕のペースはプラクティスにとても近かったし、通常のペースのように感じていた。ただ、オーバーテイクをしたり、ほかのライダーと同じように走ったりすることはできなかったんだ」と語っており、全力を尽くしバイクもペースも悪くなかったにもかかわらずの5位、という結果に悔しさをにじませた。
一方、チャンピオンシップでランキング3番手に後退したアレイシ・エスパルガロ(アプリリア・レーシング)は、おおよそ予想していた結果だったらしい。「僕のライディングスタイルでは、オーストリア、ミサノ、アメリカはかなり厳しいレースになるだろうと以前も言っていた。アメリカはひどかったけど、オーストリアとミサノは6位。今は(クアルタラロと)33ポイント差だ。悪くないよ」と、苦手なサーキットを6位で終え、まずまずの結果ととらえているようだった。
バニャイアが地元サンマリノGPで優勝を飾ったことで、チャンピオンシップのランキングでエスパルガロを抜き2番手に浮上した。ランキングトップのクアルタラロとの差は30ポイント。サマーブレイク前のオランダGP終了時点ではクアルタラロと66ポイントの差があったわけだから、イギリスGPから始まった後半戦の3戦で36ポイントを詰めたことになる。
しかし、バニャイアは「30ポイント差はまだ大きい。だからそこに集中したくない」と、己に集中したいと語る。
「チャンピオンシップのことはチャンピオンシップリーダーと5~10ポイント差になってから考えるよ。ここまで僕はチャンピオンシップを考えてたくさんミスをしてきた。今の僕の目標は、常に戦える状態にあること、常に速く、常に上位にいることだ。そして、優勝にトライし、ライバルの前でゴールすることだね。これがシーズン後半戦の鍵になっていると思うんだ。だからチャンピオンシップについては考えたくない。自分の目標にもっと集中して、週末のやることに集中し続けていたいんだ」
とはいえ、「チャンピオンシップについて考えない」ことが、裏を返せばバニャイアの「タイトル争いへのアプローチ」とも言えるのではないだろうか。少なくとも、後半戦のバニャイアの快進撃はタイトルを争うライバルたちにとって、脅威であることは間違いないだろう。