続いて午後15時からは予選Q1、Q2進出を振り分ける75分間のプラクティスが開始された。なお、この新しいフォーマットがもてぎで行われるのは初となる。ライダーたちにとって、ダイレクトQ2進出をかけた重要なセッションのため、ピットレーンオープンとともに全ライダーが一斉にコースイン。
全てのライダーがフロントタイヤはハードを選択していたが、リヤタイヤはミディアムかソフトと選択が分かれた。開始早々、ビニャーレスが真っ先にタイムを出すなか、ビンダーが1分45秒060で首位に立つ。しかし、FP1をトップで終えているマルティンが、1分44秒724をマークしてトップに浮上。
さらにビンダーも1分44秒台に入れるが、マルティンにわずか0.234秒届かない。3番手にビニャーレス、4番手にヨハン・ザルコ(プリマ・プラマック・レーシング)が続き、日本勢としてはクアルタラロ、マルク・マルケス、中上も序盤からトップ10に食い込む走りを見せた。
各車が一度目のアタックを終えて順位が落ち着いた頃、ファビオ・ディ・ジャンアントニオ(グレシーニ・レーシングMotoGP)が3番手に順位を上げる。さらに、ラウル・フェルナンデス(クリプトデータRNF・MotoGPチーム)がトップタイムを塗り替える勢いでアタックをしていたが、10コーナーで転倒を喫している。
残り30分ほどで、ミゲール・オリベイラ(クリプトデータRNF・MotoGPチーム)が2番手に並ぶと、さらに連続アタックでトップに浮上する。また、トップ10圏内に入っていたクアルタラロも、0.052秒差の2番手につけた。
その後、マルク・マルケスが1分44秒574で3番手に浮上。すると、アレイシ・エスパルガロ(アプリリア・レーシング)も4番手に順位を上げたかと思うと、連続アタックでさらにタイムを縮めてトップに踊り立つ。
しかし、序盤から速さを見せていたビンダーとマルティンのふたりがさらに上回るタイムをマーク。そんななか、クアルタラロが6コーナーでスリップダウンを喫して転倒しているが、終盤には再度走行を行っていた。残り10分を切る頃には、ビニャーレスが2番手、ザルコが4番手にポジションを上げていた。
そこに、ジャイアントニオが1分43秒台に突入させる。また、残り5分を切ると上位勢が続々とタイムを更新し、ビンダーがオールタイムラップ・レコードを更新する1分43秒489でトップに躍り出る。
さらにアレイシ・エスパルガロも2番手につけるが、ポイントリーダーのバニャイアがここで2番手に食い込んできた。しかし、最後までトップは変わらずビンダーが初日最速となった。
もてぎのオール・タイム・ラップ・レコードは、2015年にホルへ・ロレンソがマークした1分43秒790だったが、今大会でビンダー、バニャイア、アレイシ・エスパルガロのトップ3が更新している。未開催の2020年と2021年を除くと、実に6大会ぶりの更新となった。
日本メーカートップは12番手のミル、クアルタラロは13番手となった。また終了間際に転倒を喫したマルク・マルケスは14番手、中上は18番手で終えている。
モルビデリは15番手、ワルドカード参戦のクラッチローは16番手、8戦ぶりに復帰を果たしたリンスは21番手となっており、日本メーカー全車がダイレクトQ2進出を逃す結果となった。


