「I.D. CROZZ」は先に発表して大きな注目を浴びた「I.D.」(2016年にパリで初公開)、「I.D. BUZZ」(2017年1月にデトロイトで初公開)に続く、「I.D.」シリーズの第3弾となります。
このゼロエミッションビークルもまた、とても長い航続距離を実現しており、カリスマ性を感じさせる電気自動車専用のデザインと完全に新しい室内コンセプトを採用しています。
スポーティなデザインをまとった「I.D. CROZZ」は、2020年における電気自動車が、どれほど多彩なものになりそうか思い起こさせます。
4輪駆動と500km(NEDC)の航続距離
「I.D. CROZZ」という名前がすべてを表現しています。「I.D.」は何よりも「アイデンティティ」、そして、「アイコン的なデザイン」を表し、「CROZZ」は、新しいCUVのカテゴリーを示唆しています。
「I.D. CROZZ」は、スポーティでインタラクティブなデザインを備えたゼロエミッションのオールラウンドビークルで、電気による4輪駆動システムは、街乗りでも、冒険心を満たすオフロード走行でも、同様に印象的な走りを実現します。
225kWのパワーがある「I.D. CROZZ」の最高速度は180km/hで、1回の充電で最大500km(NEDC)走行可能。搭載する高性能バッテリーは、出力150kWの直流充電装置で急速充電すれば、わずか30分で80%まで充電できます。

MEBで一新したスペース効率
「I.D. CROZZ」は、VWによる最新の主力SUV、新型「TiguanL」(中国)/「TiguanAllspace」(ヨーロッパ)と比較すると、サイズが少し小さく、ルーフラインも低くなっていますが、同等の室内スペースを確保しています。
その秘密は、車両設計にあります。「I.D. CROZZ」は、先に発表した「I.D. 」、「I.D. BUZZ」同様、VWが新たに考案したモジュラーエレクトリックドライブマトリックス(MEB)に基づいて設計しています。
MEBモデルでは前後のアクスルと駆動関連モジュールが、通常よりも離れているため、長いホイールベースを実現しています。
駆動系モジュールは、すべてコンパクトに設計され、バッテリーは、車体のフロア下部に設置しています。シートも多様なアレンジが可能で、さまざまな目的に合わせて広いスペースを作り出せます。
この広くて、使い勝手も考え抜かれた“オープンスペース”は、一般的なクラスの概念を打ち破るものです。

インタラクティブなヘッドライト
「I.D. CROZZ」のフロントビューのハイライトは、VWの電気自動車を象徴する特徴的なシグネチャーライトです。
C字形をしたLEDデイタイムランニングライトと5つの細いLEDで構成された可変制御LEDヘッドライトが、電子の動く“目”(インタラクティブ・スポットライト)とともに一体感のあるフロントセクションを構成しています。
ここでは、“インタラクティブ”がキーワードになります。「I.D. CROZZ」は、ドライバーの指示により、完全な自動運転モードで走行している時、この“インタラクティブスポットライト”を介して、他の道路を共有するユーザーとコミュニケーションを取ります。
ドライバーがクルマに近づいてきた時には、このライトを使って挨拶もします。