(3)テクノロジー
1.EVシステム
小型・高出力モーターをフロントに1基、リヤに2基とするパワートレインレイアウトと大容量の駆動用リチウムイオンバッテリーを搭載し、一般道から高速道路、アップダウンのあるワインディングなど様々な道路状況において、“e-EVOLUTION”の名に相応しい、EVならではの力強く滑らかで静かな走りを発揮します。
駆動用バッテリーを車両中央のフロア下に配置することによって低重心化を図り、卓越した操縦安定性の実現に大きく貢献しています。
2.4WDシステム
フロントに1基のモーターと、リヤに新開発の“デュアルモーターAYC”*2で構成するトリプルモーター方式の4WDシステムに、三菱自動車が誇る車両運動統合制御システム“S-AWC”*3を適用しました。
また、ブレーキキャリパーも電動化させることで、四輪の駆動力・制動力を高応答・高精度で制御し、旋回性能とトラクション性能を大幅に向上させました。EVならではの精度が高くレスポンスのよい制御により、前後G・横Gが小さい領域から効果を発揮し、日常走行からスポーツドライビングまで全ての領域で、クルマとの一体感がある安全で快適なドライビングを可能とします。
*2:Active Yaw Control の略。
*3:Super All Wheel Control の略。
3.AIシステム
車載AIがドライバーの運転をアシストします。多くのセンサーで、刻々と変化する道路環境や交通状況を認知し、さらにその瞬間のドライバーの操作からドライバーの意思を的確に読み取ることで、ドライバーの運転技量に関わらず、安全で快適なドライビングを提供します。
また、車載AIには独自のコーチング機能を持たせました。自動運転機能から導き出された基準となる運転操作と、ドライバーの実際の運転操作を比較することで、ドライバーの運転技量を把握し、運転技量を向上させるメニューを考え、音声対話や前面大型ディスプレイ表示を使ってアドバイスします。
これにより、普段はドライバーの運転技量に関わらず意のままのドライビングを可能とする一方、コーチング機能を活用したドライビングの際には今まで以上にクルマを乗りこなす楽しさも提供します。

『アウトランダーPHEV』(2019年モデル)
(1)進化のポイント
三菱自動車はSUVタイプのプラグインハイブリッドEV『アウトランダーPHEV』を2013年に他社に先駆け発売し、以降5年間で様々な改良を重ね進化してきました。その間、グローバルでの累計販売台数は14万台、うち欧州では10万台を突破し、PHEVの分野をリードしてきました。
『アウトランダーPHEV』は三菱自動車の技術の粋を集めたフラッグシップモデルです。EVの課題 であった航続距離、ディーゼル車の課題であった静粛性等を解決し、お客様の「行動範囲を広げたい、様々なことに挑戦したい」という想いに応えるプラグインハイブリッドEVです。
今回の2019年モデルでは、システムを大幅に改良し、パワフル且つ高い静粛性が生みだすモータードライブ感を増すことで「よりEVに」、ツインモーター4WDシステムによる車両運動統合制御システム“S-AWC”の走行性能を高めることで「よりSUVに」進化させました。
(2)プラグインハイブリッドEVシステム
・新設計した駆動用バッテリーとエンジンを搭載し、モーターやジェネレーターの出力を向上させるなど、プラグインハイブリッドEVシステムの主要構成部品のうち約9割のコンポーネントを改良し、プラグインハイブリッドEVシステムをアップデートしました。
・エンジン排気量を2.4Lとし、カムプロフィールの変更とバルブタイミング制御により高膨張比サイクル(アトキンソンサイクル)化、低回転域で効率のよい発電を可能としました。
またエンジン発電制御を全域で見直し、エンジン音を大幅に低減させることで、発電によるエンジン始動時の違和感が低減し、モーター駆動が生み出す気持ちよい走りを、より楽しめるようにしました。・駆動用バッテリーの容量を約15%向上させ 、最高出力も約10%向上させました。らにジェネレーターやリヤモーターの出力も約10%向上させることにより、力強い走りを実現しました。
