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 そうしたなかでアストンマーチンとコスワースは、エンジンブロック、シリンダーヘッド、サンプなどに鋳造部品を採用。F1用エンジンと同仕様のチタン製ピストンを含む、エンジン内部のコンポーネントについては工作機械での削り出しとなっている。

 また、もっとも骨を折った開発部品はビレット加工のクランクシャフトだという。このパーツでは直径170mm、長さ775mmのスチール棒を削り出したのち、熱処理、機械仕上げ、再熱処理、研磨、最終仕上げという工程が踏まれる。こうして生まれた新型エンジン用クランクシャフトは、アストンマーチンOne-77のV12エンジンに採用されているものより約50%の軽量化を達成した。

「この時代における、もっとも印象的なクルマに組み込まれるNA V12エンジンを開発・製造するように求められたことはコスワースにとって大きな誇りだ」と語るのはコスワースのマネージングディレクターであるブルース・ウッド氏だ。

「パワー、重量、排ガス規制のパス、そして耐久性などの詳細について話し始めたとき、他にはないような挑戦であることを理解した」

「我々とアストンマーチン、レッドブルによる素晴らしいパートナーシップは各社が明確なビジョンを打ち出している。これは、過去に例のないロードカーのエンジンを供給するためには不可欠なことだ」

 また、アストンマーチンのアンディ・パーマーCEOはヴァルキリーに搭載される新型エンジンついて次のように語っている。

「血液中にガソリンが混じっているような(熱狂的なクルマ好き、モータースポーツファンの)人々にとって、V12自然吸気エンジンの発する高音質のサウンドは絶対的な魅力のひとつだ。これ以上に内燃機関の感情や興奮を完全に包括するものはないと言っていいだろう」

「コスワースの開発チームは当初から、ひるむことなく我々が設定したベンチマークに挑戦してくれた。彼らは可能な限り上限を引き上げその結果、異常とも言えるエンジンが完成したんだ」

コスワースとアストンマーチンが共同開発したヴァルキリー用6.5リッターV12自然吸気エンジン
コスワースとアストンマーチンが共同開発したヴァルキリー用6.5リッターV12自然吸気エンジン
コスワースでのベンチテストの様子
コスワースでのベンチテストの様子

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