■丁寧に作り込まれた実用ギア系SUV
ジムニーは誕生から今日まで、最小クラスの本格4WDという独自のコンセプトを貫いている。
ジムニーらしさの代名詞は、唯一無二のデザインと内外装の隅々に搭載されている実用的な機能、そして、どんな道路環境もモノともしない走りの性能が挙げられるだろう。




ジムニーシエラの基本構造は、軽自動車のジムニーと共通のもの。外観の大きな違いは力強く張り出したオーバーフェンダーとサイドアンダーガーニッシュを装着していることで、全長も全幅も広がり、逞しさが増している。
そもそもジムニーシエラは『ジムニー以上のパワーと余裕が欲しい』というリクエストから生まれたモデルであり、最新型には新開発の1.5リッター自然吸気エンジンが搭載されている。
先代の1.3リッターエンジンからパワーも粘り強さもグンと増して、最高出力102ps、最大トルク13.3kgmを達成している。

■本格4WDとしてブレないコンセプトで、紛れもない”ジムニー観”を表現
ジムニーのデザインコンセプトは“プロの道具”で、内外装ともに機能に徹した潔いカタチを追求している。
外観は四駆乗りを刺激するSUVフォルムで、懐かしさもありながら新しさもあるデザインとなっており、紛れもないジムニーだという独自の世界観を存分にアピールしている。


具体的には過酷な環境にも負けない厚みのある造形、積もった雪を降ろしやすい凹凸の少ないボディ形状、雨垂れ防止のドリップレールなど、デザインのひとつひとつが実用機能につながっている。
インテリアも無駄のない作り。インパネは車両の姿勢が把握しやすい水平基調のデザインを採用し、手袋着用時でも操作しやすいようにスイッチ類は大型化されている。



また、リヤシートの背面や荷室の表面には樹脂パーツを施し、汚れを拭き取りやすくするなど、先代以上に”道具感”が増した印象だ。


先進装備が欲しい箇所も確実に進化している。メーターは見やすい立体クラスターとなり、中央には車両状況がひと目でわかるディスプレイを採用。エアコンはフルオートが標準装備となった。


運転席はオフロードでの乗り心地を向上させるため、座面サイズが広がり、クッション性も良くなって、快適さは増している。加えて、前後のシートスライド調整幅が拡大され、さまざまな体格の人がベストなポジションを取れるように配慮されている。




また、前後の乗員の距離が40mm拡大されたことで、後席の居住性も向上。左右の窓も大きく、あまり閉塞感は感じない。
ただ、3ドアなので特に後部座席への乗り降りは面倒臭さが否めない。だが、この面倒臭さも道具としての作りを追求したジムニーの味わいといえるだろう。