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 SUVに最も求められる荷室の実力を見てみよう。

 背面にフルサイズのタイヤを背負っているため、バックドアは横開き式を採用。その恩恵で開口幅が1015mm以上と広く、SUVの強みである開口地上高も756mm確保されていることから、屈む姿勢をとることなく荷物を出し入れすることができる。
 
 後席を倒せばサバイバルゲームに必要な用具や着替えなどの一式を十分に積みこめる。森園れんさんが横に寝転がっても笑顔で過ごせる広さだ。

スズキ・ジムニーシエラのトランク
スズキ・ジムニーシエラのトランク
後部座席を倒せばフラットとなり大きな荷物も難なく積み込める
後部座席を倒せばフラットとなり大きな荷物も難なく積み込める

 では、試乗へと移ろう。ジムニーとジムニーシエラには5速MTと4速ATが用意されているが、今回は普段使いしやすい4速ATを選んだ。

■シーンに合わせて安心&快適に走れる工夫が盛り沢山

 ジムニーシエラに乗り込んで、まず好印象なのは視界の高さだ。コンパクトクラスを代表する車種の全高の平均は1520mm前後。これに対し、ジムニーシエラの全高は1730mmとダントツに高く、Aピラーは立て気味のデザインを採用しているため、見晴らしの良さが確保されている。

 乗り味は上下方向に跳ねる動きを感じる独特なもの。路面からの突き上げがないとは言わないが、許容範囲内だ。自然吸気の4気筒エンジンは滑らかな音色で、車内の静粛性は高めだ。

公道でのスズキ・ジムニーシエラの走り
公道でのスズキ・ジムニーシエラの走り

 
 市街地では2WDを選択し、燃費重視で走行した。渋滞のストップ&ゴーも難なくこなし、コーナリングも素直にクリアすることができた。

 また、ボディがコンパクトで、角ばっている形状のため車幅感覚が掴みやすいため、すれ違いにドキッとさせられる狭い道も有利にこなせる。

 高速走行では、1.5リッター自然吸気エンジンの良さがより光る。速度を上げるほどクルマとの一体感が高まり、街中で感じたヒョコヒョコ感が薄れて、安心感が一段階上昇する。

サイドミラーは大きく見やすい。左側にはサイドアンダーミラーを備える
サイドミラーは大きく見やすい。左側にはサイドアンダーミラーを備える
スズキ・ジムニー・シエラのシフトノブ
スズキ・ジムニー・シエラのシフトノブ

 
 自然吸気とはいえども、軽ターボよりもトルクに余裕があるため、本線に合流する際なども、エンジンが無理なくパワーを発揮していることが伝わってきて、不安を感じることはなかった。

 エンジン音は高速域で回転を上げても静かなもので、軽自動車で感じるような音の不快感はなく、後席乗員との会話が困難になることもなかった。

■全面的に大きな進化を遂げた4WDならではの装備や性能

 新型ジムニーシエラにはラダーフレーム、FRレイアウト、副変速機付きパートタイム4WD、3リンクリジッドアスクル式サスペンションなど、本格的な4WDシステムが採用されている。

シフトノブ下にあるレバーで2WDと4WDを任意に切り替えることが可能。モードは2H(2WD)、4H(4WD高速)、4L(4WD低速)3種
シフトノブ下にあるレバーで2WDと4WDを任意に切り替えることが可能。モードは2H(2WD)、4H(4WD高速)、4L(4WD低速)3種

 副変速機は、機械式のレバータイプを採用。2WDから4WDに切り替えた瞬間に、道路に足がついてグッと踏ん張ってる感覚を体感することができた。

勾配のきつい上り坂でも力強く登っていく
勾配のきつい上り坂でも力強く登っていく

 また、新型ジムニーシエラにはヒルディセントコントロールも装備されている。これは急な下り坂などでブレーキを自動制御することで、加速を抑えて定速走行してくれる機能。今回もそこそこ急勾配な山道を試乗した時に、その実力を確かめることができた。
 
 ジムニーシリーズは、小さいながらもSUVに求められる実用性をしっかりと押さえながら、デザインも装備も期待以上の仕上がりだった。

 世界中で実績が認められ、半世紀にわたり人気を継続させてきたジムニーシリーズ。最新型も末長く愛され続けられる魅力を持った1台といえる。

【撮影協力】
サバイバルゲームフィールド VISION

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