更新日: 2019.09.13 17:36
ホンダ・シビック タイプR、速さと快適性が同居するFFスーパーカー【ベースマシン一刀両断!!】
Photo:WTCR
そうした乗り味を支えているのは、新開発したリヤのマルチリンクサスペンションだ。先代のFK2はトーションビームだったので、ステアリングセンター付近の感触が悪く、接地性も充分ではなかった。
それを改善するためのマルチリンク化なのだが、スペース的にもコスト的も不利な形式であることは明白。まるでタイプRのための装備かと思うほどである。
ガチガチのサス、遮音材を省略したため騒々しい車内、といったかつてのタイプRとは、FK8は異質の存在である。ただ、共通しているのは、クルマ全体に自分の神経が行き渡るような一体感と優れた応答性より、操縦していて非常に楽しいということだ。
最近のクルマは“エコ”という錦の御旗の下、軟弱化している。フィーリングが貧弱で頼りなく、走りの気持ち良さが得にくいのだ。高性能モデルの方がノーマルと比較すると逆に扱いやすく感じられてしまう。FK8に限らず、例えばスズキ・スイフトスポーツなども、ベースに負けている部分は真剣に探さないと見つけられない。
FK8はいいクルマだが、エクステリアの醜さだけはどうにもならない。まず、シルエットが美しくない。また、フロントとリヤのバンパー左右にある黒いインテーク風の部分は、ごく一部を除いてパネルで塞がれている。
つまりフィットと同じ処理だ。大げさなリヤウイングを含めたエアロ全体も同様だが「どうしてもっとホンモノ志向にならないのか?」と感じてしまう。
ノーマルの倍近い価格設定も納得できる出来だが、エクステリアだけは納得できない。つまりFK8は“見た目以外は”かなり魅力的なクルマなのだ。

■ホンダ・シビック タイプR主要諸元
車体 | |
---|---|
車名型式 | ホンダ・オブ・ザ・UK DBA-FK8 |
全長×全幅×全高 | 4560×1875×1435mm |
ホイールベース | 2700mm |
トレッド 前/後 | 1600/1595mm |
最低地上高 | 125mm |
車両重量 | 1390kg |
乗車定員 | 4名 |
駆動方式 | FF |
トランスミッション | 6速MT |
ステアリングギヤ形式 | ラック&ピニオン(電動パワーステアリング仕様) |
サスペンション前/後 | マクファーソン/マルチリンク |
ブレーキ 前/後 | 油圧式ベンチレーテッドディスク/油圧式ディスク |
タイヤサイズ 前/後 | 245/30ZR20 90Y |
エンジン | |
型式 | K20C |
形式 | 水冷直列4気筒DOHC 横置 |
排気量 | 1995cc |
内径/行程 | 86.0/85.9mm |
圧縮比 | 9.8 |
最高出力 | 235kW(320ps)/6500rpm |
最大トルク | 400Nm(40.8kgm)/2500-4500rpm |
使用燃料 | 無鉛プレミアムガソリン |
タンク容量 | 46リットル |
燃料消費率(JC08モード) | 12.8km/L |
auto sport 2019年3月15日号 No.1501より転載