■スズキ・ワゴンR
■主力グレードは燃費も静粛性も優れたハイブリッド

初代ワゴンRは1993年に登場。発売開始以降、国内累計販売台数は440万台を突破する、軽ワゴンのパイオニア的存在だ。
現行型はヘッドライト、フロントグリルの形状が四角基調となりシャープな顔立ちが特徴。軽自動車としては珍しくハイブリッドモデルも用意されている。黒基調の内装が多い軽自動車のなかで、明るい印象のベージュ基調も用意されているなど、選択肢は幅広い。
ワゴンRに搭載されるマイルドハイブリッドは、走り出しなどのクリープ走行、および走行中にモーターアシストが介入するシステムで、JC08モード走行の燃費は33.4km/Lを記録。これは軽ワゴンでトップクラスを誇る。
先進安全技術も盛り込み済みで、衝突被害軽減システムや誤発進抑制機能、車線逸脱警報機能など、他メーカーと遜色のない予防安全装置が用意された。車両価格は109万8900円〜154万4400円。
■ニッサン・デイズ
■先進技術のフル装備で生まれ変わった最新モデル

デイズはミツビシeKワゴンの兄弟車。2019年3月に6年ぶりのフルモデルチェンジを実施。プラットフォームも一新され、荷室は後席を一番後ろに下げた状態でも385mm確保されている。
NASAアメリカ航空宇宙局が開発した技術を応用したシートは身体への負担が軽減されるとともに、座り心地が大きく向上。衝撃吸収性能が向上したショックアブソーバーの採用も相まって、乗り心地も改善されている。
数多くの先進技術を提供してきたニッサンらしく、クルマを俯瞰して見る『アラウンドビューモニター』や『踏み間違い衝突防止アシスト』など5種類のサポートシステムが全グレードに装備されている。
さらに新型では、あおり運転など緊急事態にドライバーがオペレーターと音声通話できる支援する『SOSコール』と、渋滞走行や長時間の巡行走行でアクセル、ブレーキ、ステアリングを支援する『プロパイロット』も搭載されている。
パワートレインは NAエンジンとターボエンジンを揃え、全6グレード展開。デザインに強いニッサンらしく、カラーリングは全17種類から選択できる。車両価格は129万6900円〜181万1700円。
■ミツビシeKワゴン/eKクロス
■居住性、操縦性、安全性が進化。日本カー・オブ・ザ・イヤーも受賞

ミツビシeKワゴンは2019年3月に登場。ニッサン・デイズの兄弟車で、2019-2020年日本カー・オブ・ザ・イヤーのスモールモビリティ部門賞を受賞した。
両車は日産自動車と共同開発され、車体の基礎であるプラットフォームやパワートレインはeKワゴンとデイズで共通のものだ。
eKクロスの由来は、SUVらしさとハイトワゴンの掛け合わせ(クロス)で、eKワゴンをSUV風に仕立てたデザインが特徴だ。オプションでルーフレールの設置が可能となるほか、『G』と『T』には15インチのアルミホイールが設定されている。
eKワゴンの内装はライトグレー基調の明るくシンプルな雰囲気でまとめられている。一方のeKクロスは、ブラックを基調して上質を押し出す空間作りで、差別化されている。両車に共通したインストゥルメントパネルは、使いやすさを重視した設計で、スイッチ類の操作性も優れている。
新開発のDOHC12バルブ3気筒エンジンとCVTはエンジンフリクションが低減され、静粛性が向上。eKクロスは、全グレードにハイブリッドエンジンが搭載され、13km/h以下になるとエンジンを停止させる『オートストップ&ゴー』機構も備わる。
また、高速道路走行時にアクセル、ブレーキ、ステアリング操作を支援する『MI-PILOT』の採用や、雪道やぬかるんだ路面での空転やスリップを制御する『グリップコントロール』、駐車をサポートする『マルチアラウンドモニター』、予防安全技術『e-Assist』など、運転サポート機能が盛りだくさんだ。
グレードは『M』、『G』、『T』の3つを用意。車両価格はeKワゴンで132万円〜153万4500円、eKクロスは144万1000〜179万8500円の設定だ。
■ホンダN-WGN
■ママに優しい装備で、ファミリーカーにピッタリの選択肢

ホンダN-BOXの兄弟車で、上質な室内の雰囲気を醸し出しているのが2019年8月に登場した2代目N-WGNだ。N-BOXが実用性を追求したモデルとするならば、N-WGNはラグジュアリーさを重視したモデルで、兄弟車といえども別ジャンルの軽自動車といえる。
外観はボックス形状でありながら、四隅が丸みを帯びたデザインになっていることで、親しみが感じられる。丸目のヘッドライトや特徴的な角ばったグリル形状も合わさり、フロントマスクは優しい印象だ。
車体骨格はN-BOXと共通だが、内装は独自の世界観でまとめられている。シートはブラウンを基調にアイボリーを差し込んだデザインを採用。N-WGNカスタムは、ブラックを基調に、光沢感あるチタン調の加飾パネルを施すことで、ひとクラス上の上質さが生まれている。
全グレードに標準装備の安全運転支援システム『ホンダセンシング』は、軽自動車として初めて、横断中の自転車に対応した衝突軽減ブレーキが採用されている。
N-WGN、N-WGNカスタムともに『G』『L』『Lターボ』の3グレード展開。車両価格はN-WGNが129万円〜166万円、N-WGNカスタムは154万円〜182万円。
■ホンダN-BOX

■ボックスタイプの“軽”の雄、開発にはF1のパワーユニット責任者も参画
2011年に登場したホンダN-BOXは軽自動車のパラダイムシフトを起こしたことで記憶に新しい。2代目は2017年9月に登場。デビューから2年以上が経過しても、人気は保持されている。
ゼロからのスタートとなった初代N-BOXの開発には「シャシーとエンジンの協調が欠かせない」という観点から、現在ホンダF1のパワーユニット開発責任者を務める浅木泰昭氏も携わったことで知られている。
そんなN-BOXは軽自動車の規格ギリギリまで拡張されたボディ骨格が特徴で、先代よりも80kg軽量化されている。広い骨格とコンパクト化されたエンジンコンパートメントによって普通乗用車並みの室内空間を生み出し、助手席のスーパースライドシートは前後スライド量が570mmと、後席と運転席間の移動を可能にしている。
全グレードに安全運転支援システム『ホンダセンシング』が装備されており、衝突軽減ブレーキ誤発進抑制など計10種類の安全機能が搭載されている。
パワートレインはNAエンジンとターボエンジンが設けられ、CVTが組み合わさる。駆動方式はFFと4WDからそれぞれ選択が可能だ。
N-BOXの内装はベージュ基調、14インチのホイールを装着する。N-BOXカスタムの内装はブラック基調、ターボ車のタイヤは15インチアルミホイールを奢る。車両価格はN-BOXが141〜192万円、N-BOXカスタムは174万円〜212万円の設定だ。