■ホンダ・フリード/フリードクロスター

居住性と使い勝手のバランスから“ちょうどいい”ミニバンとして評価されているホンダ・フリード。2019年10月のマイナーチェンジで、全車に安全運転支援システム『ホンダ センシング』が標準装備となった。
初代は2008年に登場、2016年に2代目へとバトンがわたった。この2代目は後席スライドドアのスライド量が360mm拡大し、スライドドアの開口幅は665mmと広く、乗り降りがしやすいのが特徴だ。
ボディサイズは全長4265mm、全幅は1695mmと5ナンバーサイズを維持し、コンパクトな7人乗りミニバンとして、街乗りから長距離ドライブまでさまざまな用途で利用されている。
2019年10月のマイナーチェンジで、『CROSSTAR(クロスター)』を追加。専用デザインのフロントグリルやバンパー、ルーフレール、アルミホイールなどが採用されている。内装には専用コンビシートに汚れの目立ちにくいデジタル柄が採用され、昨今のアウトドアブームにマッチした仕上がりになっている。
ハイブリッド車とガソリン車が用意され、どちらも1.5リッターDOHC i-VTECを搭載。グレードは『ハイブリッド・クロスター』、『ハイブリッドG』、『クロスター』、『G』、『B』の5つを用意。7人乗り仕様はG系モデルのみに設定される。車両価格は199万7600円~301万8400円。
■ホンダ・ステップワゴン

1996年に登場し、これまで5回のフルモデルチェンジを経て、現在も人気ミニバンとしての地位を確立しているのがホンダ・ステップワゴンだ。
現行型の5代目は2015年に登場。搭載される直噴1.5リッターVTECターボエンジンは、当時のホンダ車にとって初の採用、往年のホンダファンにはたまらないVTECサウンドを堪能できるという魅力があった。
現行型において、ライバルと大きく違うのはテールゲートの開閉方法。縦横どちらでも臨機応変に開ける『わくわくゲート』を装備し、狭い駐車場でも、後方のスペースを気にすることなく、荷物の積み下ろしが可能。なお、3列目シートは床下にスッポリと収納が可能で、より広い荷室スペースを確保できる。
直近の一部改良は、2020年1月9日に実施。改良内容は、高効率と低燃費が強みの2モーターハイブリッドシステムを搭載した仕様を『e:HEV(イーエイチイーブイ)』の名称で展開。なお、選択肢の幅を広げる狙いで、一部モデルで『わくわくゲート』を装備しない仕様も用意している。
レースで馴染み深い専用コンプリートブランド『Modulo X』も用意。スポーティな乗り心地とルックスを後押しする専用のサスペンンションやエクステリアが盛り込まれている。
内装はブラックとシルバーを基調に、専用の本革巻ステアリングホイールやModulo Xのロゴが入ったブラックコンビシート、フロアカーペットマットが採用され、乗り手を高揚させるスポーティな装いだ。
ステップワゴン&ステップワゴンスパーダの車両価格は、271万4800円~444万9500円。
■ミツビシ・デリカD:5

SUV要素を含ませた唯一のオールラウンドミニバンの看板を背負って立つのがミツビシ・デリカD:5だ。2007年の登場から多くのユーザーに親しまれており、2019年2月に新型となって、ふたたび話題を席巻した。
デリカD:5の生産は、ミツビシの顔であるパジェロと同じく、岐阜県加茂郡坂祝町にあるパジェロ製造が担当している。デリカD:5は、さまざまな道路状況においても確かな走りをすることがモットーで、パジェロで培われたDNAが注がれていると言っても良いだろう。
低速域から力強いトルクを発揮する2.2リッター・クリーンディーゼルターボエンジンに8速ATの組み合わせ。フロンマスクにはミツビシ車の“顔”である“ダイナミックシールド”を採用し、縦型のマルチLEDヘッドライトとLEDポジションランプが華を添える。
内装は操作性や視認性を重視した機能重視な設計。現行モデルからは予防安全技術として衝突被害軽減ブレーキシステムや後側方車両検知警報システム、車速感応オートドアロックなど、他社に遜色ない安全機能が搭載されている。
トラクションコントロール機構もバージョンアップし、悪路での走破性能を高めるべ走行状況に応じてFFと4WDを切り替える『4WDオート』機能が盛り込まれた。
2019年11月の一部改良時に、フロントメッキグリルやバンパーが特徴の『アーバンギア』に最上級仕様の『アーバンギア P エディション』を追加。シリーズ全体の車両価格は391万3800円~447万2600円。
■シトロエン・グランドC4 スペースツアラー

2013年9月の登場以来、世界中で人気を博してきたシトロエン・グランドC4ピカソは、2018年9月に『シトロエン・グランドC4スペースツアラー』と名称を変更した。
MPV(マルチ・パーポス・ビークル)と呼称されるフランスの7シーターミニバンは、細く走る2本のAピラーにより運転席からの開放感が抜群だ。
全長4605mm、全幅1825mm、全高1670mmと、大型化が目立つ国産ミニバンと比較するとコンパクトなサイズ。丸みを帯びたシルエットは、他車にはない個性的な印象だ。
2019年12月の一部改良で、グレーベージュ内装が標準化されるとともに、パノラミックガラスルーフも標準装備となった。後席の開放感は抜群だ。
エアコンの吹き出し口を備えた大型グローブボックス、中央部には取り外し可能な大型のリムーバブルセンターコンソール、2列目シートの足元にはフロア収納ボックスなど、収納面の充実度の高さも魅力のひとつ。
エンジンは、2.0リッターディーゼルターボのみ。現在は『SHINE BlueHDi』の1グレード展開で、車両価格は416万円。
■メルセデス・ベンツVクラス

メルセデス・ベンツVクラスは1998年に初上陸して以来、日本での累計販売台数は約3万台を突破する人気モデルに成長している。
2019年10月にフルモデルチェンジを発表。フロントデザインを刷新し、スポーティなエクステリアに変身した。内装面の高級感にも磨きがかけられ、安全装備の充実度もレベルがアップしている。
2020年1月から『V220dアバンギャルドロング』と『V260アバンギャルドロング』を発売、その他のグレードは今春に向けて順次販売予定だ。
インテリアの見どころは、最上級の質感を提供するエクスクルーシブシートパッケージをオプションで選択可能となった。ヘッドレストクッション、オットマン、リラクゼーション機能など、贅を尽くした空間に仕上がっている。
安全面では、オプション設定のレーダーセーフティパッケージに含まれる歩行者検知機能付きアクティブブレーキアシストが、衝突や飛び出しなどの危険を感知するとドライバーに警告し、必要に応じて衝突回避のための急制動を発揮するものにアップグレードされている。
そのほか、車両周囲の状況をモニターする『360°カメラシステム』、縦列駐車と車庫入れをアシストする『アクティブパーキングアシスト』、障害物との距離を感知して警告する『パークトロニック』が標準装備となった。
エンジンは、全車に2.2リッター直列4気筒クリーンディーゼルを搭載。大小異なるふたつのターボチャージャーが設けられ、力強い加速を発揮する。駆動方式はFR、トランスミッションは7速ATの設定だ。全4グレード構成で、車両価格は740万~950万円。
新型発表記念の特別仕様車『V260アバンギャルドロング』(車両価格:950万円)は、2.0リッター直列4気筒直噴ターボエンジンを採用。最高出力は211ps、最大トルクは155kWを発生する。