■トヨタ86/スバルBRZ

トヨタ86特別仕様車『GT ブリティッシュグリーンリミテッド』
トヨタ86特別仕様車『GT ブリティッシュグリーンリミテッド』

 国産スポーツカーの人気モデルといえば、2012年2月に発表、同年4月から発売されたトヨタ86と、スバルBRZだろう。デビューから8年目を迎え、100万円を切る個体も中古車市場に出てきてはいるが、車両状況のいい個体はなかなかの高価格帯で鎮座している。この辺りも、86/BRZ人気の現れだろう。

 トヨタとスバルの共同開発によって生まれた86/BRZは、FRレイアウトを採用したピュアスポーツカー。2.0リッター水平対向直噴エンジンを搭載し、トランスミッションは6速MTと6速ATを組み合わせる。

 2016年7月には、大規模なマイナーチェンジを実施。外観デザインが一新されたほか、エンジンの吸排気系の改良、操縦安定性の向上のためショックアブソーバーのバルブ構造を見直すなど、走行性能に磨きがかけられた。

 バリエーションや、アフターパーツ市場も豊富で、GRを冠した『86 GR』や86&BRZレース参戦用モデルの『レーシング』など多岐に渡る。2019年2月には特別仕様車『GT “ブリティッシュグリーンリミテッド”』も限定で発売されている。艶やかで深みのある緑色のボディカラーは、これまでにはない気品なイメージをかもし出している。

 現行の86に用意されたグレードは3タイプ。ベースグレードの『G』は16インチアルミホイールを装着し、メーターは針式のシンプルなデザインとなる。上位モデルの『リミテッド』と『リミテッド・ブラックパッケージ』のシートには、本革とアルカンターラ素材が採用され、内装色はレッド&ブラック、タン&ブラック、ブラックの3色から選べる。

 兄弟車のスバルBRZも、STIによるスペシャパッケージ『BRZ STI Sport』が用意されている。18インチアルミホイール、ブレンボ製ブレーキディスク、専用ダンパーに加えて、内外装を含む随所にSTI製のチューニングが施されている。

スバルBRZ STI Sport GT CONCEPT
スバルBRZ STI Sport GT CONCEPT

 車両価格は86が267万1900円~506万円、BRZは247万5000~365万~7500円。

「フルモデルチェンジが近い?」という噂もちらほら出てきているため、今後の動きに注目したい。

トヨタ86公式サイトhttps://toyota.jp/86/
スバルBRZ公式サイトhttps://www.subaru.jp/brz/brz/

■ホンダS660

ホンダ S 660『α』
ホンダ S 660『α』

 ホンダが誇る軽オープンカーの名車、ビートの後継モデルとして、2015年4月に登場したのがS660だ。開発責任者を務めたのが、26歳の若手エンジニアだったことも大きな話題となった。

 パワートレインは、660ccの専用設計ターボチャージャー付きDOHCエンジンを搭載。組み合わせるトラスミッションは、6速MTとCVTを採用。前後重量配分は45:55で、これは慣性モーメントの最小化とトラクション性能の向上が狙いだという。

 狙い通りのコーナリングを実現するために、電子制御システム『アジャイルハンドリングアシスト』を採用。これは車体の動きに応じた操作にブレーキ制御が最適に介入することを目的としている。

 S660は、運転中に感じる“サウンド”にもこだわって開発されている。ターボチャージャーの作動音やブローオフバルブ音には、専用のチューニングが施されている。実車を前にしたら、このあたりにも注目してほしい。

 2020年1月にはマイナーチェンジを実施。フロントグリルの変更、新デザインのアルミホイールの採用など、エクステリアを中心にリフレッシュされ、上級モデルにはシートヒーターが追加されるなど、快適性が向上している。
 
 同じタイミングで、ホンダ のコンプリートカーブランド「Modulo X」シリーズの『S660 Modulo X』もマイナーチェンジを実施。専用サスペンションや空力パーツを装着し、よりスポーティな走りを実現している。

 また、新色のアルミホイールも採用され、インテリアではサイドブレーキカバーやシフトブーツにアルカンターラ素材が使われるなど、上質感の向上が図られた。
 
 そして『S660 Modulo X』のインテリアカラーにはボルドーレッド×ブラックのコンビネーションを採用。通常モデルはブラック単色の設定なので、個性派を求める向きには『S660 Modulo X』を選択肢に入れてもらいたい。

 今回のマイナーチェンジでは、ボディカラーにアクティブグリーン・パールとアラバスターシルバー・メタリックの2つの新色が加わった。S660のイメージカラーであるカーニバルイエローIIもラインアップに連ねている。

 車両価格は『α』(6速MT/CVT)が232万1000円、『β』(6速MT/CVT)が203万1700円、『S660 Modulo X』(6速MT/CVT)が304万2600円となっている。

ホンダ S660『α』。ボディカラーはアクティブグリーンパール
ホンダ S660『α』。ボディカラーはアクティブグリーンパール

公式サイトhttps://www.honda.co.jp/S660/

■マツダ・ロードスター

マツダ・ロードスター特別仕様車『SILVER TOP』のフロントスタイル
マツダ・ロードスター特別仕様車『SILVER TOP』のフロントスタイル

 世代を超えて愛される国産スポーツカーとして、マツダ・ロードスターは外せない存在だ。日本だけでなく、海外でもファンが多く、北米ではMX-5という名で親しまれている。

 四世代目となる現行型は2015年5月にソフトトップモデルが、2016年末に電動格納式ルーフを採用したリトラクタブルハードトップモデル『ロードスターRF』が導入され、ふたつのボディバリエーションが揃っている。

 2ドアオープンは歴代モデルからの踏襲で、現行型の車両重量は先代に比べて100kg以上軽量化された990~1060kgを達成。より軽快な走りを披露し、扱いやすさが向上している。

 エンジンは1.5リッター直列4気筒を搭載。最高出力は132psを発生する。トランスミッションは6速ATのほか、6速MTも選択することができる。

 エクステリアは細目のヘッドランプ、曲線を意識した流麗なボディラインが特徴的な造形。一部のグレードを除き、足元にはレイズ社と共同開発した16インチアルミホイールにブレンボ製フロントブレーキがオプションで用意されている。

 インテリアに目を向けると、黒をベースにシックな印象に包まれている。スポーツカーらしくドライバー中心の設計が徹底されていて、スイッチ類はドライバー周辺に集約されている。

 シートはグレードに応じて仕様が異なり、『SILVER TOP』と『S レザーパッケージ』は本革仕様、『RS』グレードにはアルカンターラが奢られている。

 全グレードに先進安全技術を標準装備。死角からの危険認知、同一車線走行維持、交通標識の認識サポートなど、安全装備が十分に用意されている。また、安全支援機能を持つクルマとして『サポカーS・ワイド』の認定も受けている。

 コネクトサービスも充実しており、インターネットラジオの受信やハンズフリー会話、スマートフォン機能が使用できるApple CarPlayやAndroid Autoにも対応済みだ。

 ユーティリティ面での特筆は、トランクスペースにスーツケースがふたつ横に倒して収納できる広さが確保されている。夫婦で長距離の旅行もこなすことができる。

 2018年8月には、『ロードスター RF』に最高回転数7500rpmに引き上げ、さまざまな性能を高めたスカイアクティブ-G 2.0を搭載するなど、大規模なマイナーチェンジを実施。2019年の四輪販売台数スポーツカー部門で第1位を獲得するなど、高い人気を誇っている。

 車両価格は260万1500円~334万1000円だ。

マツダ・ロードスター特別仕様車『SILVER TOP』のリヤスタイル
マツダ・ロードスター特別仕様車『SILVER TOP』のリヤスタイル

公式サイトhttps://www.mazda.co.jp/cars/roadster/

 最後になるがオートスポーツweb的に外せない1台を紹介しておこう。その名前を聞いただけで、血流が活発になるであろうスバルWRX STI(https://www.subaru.jp/wrx/sti/)だ。

スバルWRX STI EJ20ファイナルエディション プロトタイプ
スバルWRX STI EJ20ファイナルエディション プロトタイプ

 惜しくも2019年12月に受注は終了しているが、走行性能は折り紙つきで、ニュルブルクリンク24時間耐久レースでも功績を残しているのは記憶に新しい。

 最高出力308psを発生する2.0リッターツインスクロールターボエンジンと6速MTの組み合わせから来るパフォーマンスは折り紙付きだ。グレードは2種類で、『STI』は18インチタイヤ、『STI Type S』には19インチタイヤが奢られる。

 車両価格は『STI』が393万8000円、『STI Type S』が413万6000円。中古車市場では個体のバラつきがあり、新車の車両価格を上回るプレミア価格が付いているモデルも出ている。

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