更新日: 2020.06.01 14:35
見た目も乗り味もある意味で深い驚きがある! MT車好きに評価して欲しい1台トヨタ・カローラスポーツ【ベース車両一刀両断‼︎】
Photo:BTCC
このカローラスポーツ、基本的にC‐HRのクーペ版というのが適当な表現だ。エンジンもサスペンションも共通。全高が100mmほど低く、ガソリンエンジン車なら90kgほど軽量だ。
キャビンの大きさを絞っているため、後席の空間はタイトだが“クーペとしては充分”か? さらに言えばラゲッジスペースもタイトで「FRだっけ?」と勘違いしそうなレベル。スーツケースを2個積むのは難しそうだ。
ハンドリング面で指摘しておかなければならないのは、トヨタがFF車のリヤに採用しはじめたダブルウイッシュボーン・サスペンションだ。
これは構造こそ違うものの、アルファード系のものと同じ特性を持っており、サスペンション自体の摩擦抵抗が大きく、左右でストロークのやりとりをする悪癖がある。
セッティングの影響もあるが、当たりは硬いがその先は緩く、左右に揺すられる動きが止まらない。つまり、操縦安定性も乗り心地も両方悪い。ダブルウイッシュボーンというカタログスペックが欲しかっただけなのだろう。
ステアリングセンターのフィーリングの面でも、乗り心地の面でも独立式サスペンションの利点は感じられず、完成度の高いトーションビームのほうが断然良さそうと思えるのだ。
実際に走らせてみると、見た目とは対照的に、すべての印象が薄い。カローラスポーツがアピールしてくるのは、「まるで存在を感じさせないこと」。移動の楽しみ、クルマという機械の魅力、それを操ることの喜びといった、クルマの根源的な価値を主張してこないのだ。
だったらヴォクシーやプロボックスでもいいのではないか? まぁ、難しいことは考えず、鼻唄でCMソングでも歌って誤魔化すしかない。
■トヨタ・カローラスポーツ『G』(6速MT)主要諸元
車体 | |
---|---|
車名型式 | 3BA-NRE210H-BHFNZ |
全長×全幅×全高 | 4375mm×1790mm×1460mm |
ホイールベース | 2640mm |
トレッド 前/後 | 1530mm/1530mm |
最低地上高 | 135mm |
車両重量 | 1300kg |
乗車定員 | 5名 |
駆動方式 | FF |
トランスミッション | 6速MT |
ステアリング | 電動パワーステアリング |
サスペンション前/後 | マクファーソンストラット/ダブルウイッシュボーン |
ブレーキ 前/後 | ベンチレーテッドディスク/ディスク |
タイヤサイズ | 205/55R16 |
エンジン | |
型式 | 8NR-FTS |
形式 | 直列4気筒 |
排気量 | 1196cc |
内径×行程 | 71.5mm×74.5mm |
最高出力 | 85kW(116ps)/5200ー5600rpm |
最大トルク | 185Nm(18.9kgm)/1500ー4000rpm |
使用燃料 | レギュラーガソリン |
タンク容量 | 50L |
auto sport 2019年10月4日号 No.1515より転載