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投稿日: 2020.04.08 16:46
更新日: 2020.04.08 09:09

見た目で判断するのはNG! 実は基礎体力もマインドも濃い目のスポーティ派 シトロエンC3【ベース車両一刀両断!!】


クルマ | 見た目で判断するのはNG! 実は基礎体力もマインドも濃い目のスポーティ派 シトロエンC3【ベース車両一刀両断!!】

 組み合わされるトランスミッションは6速ATのみ。スムーズでも洗練されているわけでもないが、とにかくエンジンのパワーを活かそうとする。

 エコ指向なクルマのように、あっという間にトップギヤという設定ではなく、低いギヤでホールドしようとする。そして、一度シフトアップすると、速度が下がっても簡単にはシフトダウンしない。欧州の古いAT車そのものだが、エンジンの特性とマッチしているし、明確にスロットルペダルを踏み込めばキックダウンは素早い。

 サスペンションはソフトな印象で、分かりやすく言えばフワッとしている。ただ、ダンピングはしっかりと効いていて、ロール剛性も充分にある。

 つまり、乗り心地がいい。ステアリングやペダルの操作にクルマ全体が反応してくれて、まさにクルマを操る形だ。

インテリアカラーはグレーとアーバンレッドの2種類を用意。アーバンレッドを選択すると、水平基調のダッシュボードに鮮やかな赤が差し色となり、かなりエネルギッシュな印象となる
インテリアカラーはグレーとアーバンレッドの2種類を用意。アーバンレッドを選択すると、水平基調のダッシュボードに鮮やかな赤が差し色となり、かなりエネルギッシュな印象となる

 スポーティなクルマは大抵、ロール剛性が高く、ダンピングも強くて、姿勢変化が少ない。C3はそういうレベルにはないが、ステアリングとペダルを使って、スポーティに運転することを存分に楽しめる。姿勢変化は大きいが、ドライバーが制御しようと思えば、それもまた楽しみにつながる。

 普通に走らせていてもターボが効いてしまうため実燃費は良くはないし、元気のいい分だけエンジンの振動が強い。また、プラットフォームが古いのか、運動性能は高くない。

 それでも、斬新なデザインのコンパクトなボディは充分実用的で、荷室も最低限は確保されている。もちろん、リヤシートの乗員に乗り心地で文句を言われることもないはずだ。

必要十分な広さが確保されたC3のラゲッジルーム
必要十分な広さが確保されたC3のラゲッジルーム

 増殖し過ぎたミニのような、これ見よがしなデザインではなく、押しつけがましい雰囲気もない。

 モータースポーツのイメージは受け継いでない。しかし、基礎体力というか、体幹というか、あるいは愉しさというべきか……そういったスポーティな要素を、C3はしっかりと持っている。

 冷静に考えればホンダ・ヴェゼルRSのほうがほぼすべての面で優れているが、C3の持つ雰囲気を楽しめる方なら、充分に“スポーティ”を味わえる魅力的なコンパクトカーである。

ラリー界の最高峰であるWRC世界ラリー選手権に参戦していたシトロエンは、WRカーの規定が大幅に変更された2017年にC3 WRCを投入。C3 WRCとなってからはトヨタやヒュンダイなどの後塵を拝しているイメージもあるが、毎年しっかりと勝利を挙げた。
ラリー界の最高峰であるWRC世界ラリー選手権に参戦していたシトロエンは、WRカーの規定が大幅に変更された2017年にC3 WRCを投入。C3 WRCとなってからはトヨタやヒュンダイなどの後塵を拝しているイメージもあるが、毎年しっかりと勝利を挙げた。

■シトロエン C3 主要諸元

車体
車名型式 ABA-B6HN01
全長×全幅×全高 3995mm×1750mm×1495mm
ホイールベース 2535mm
トレッド 前/後 1480mm/1480mm
最低地上高 160mm
車両重量 1160kg
乗車定員 5名
駆動方式 FWD
トランスミッション 6速AT
ステアリング ラック&ピニオン/電動パワーステアリング
サスペンション前/後 マクファーソンストラット/トーションビーム
ブレーキ 前/後 ベンチレーテッドディスク/ディスク
タイヤサイズ 205/55R16
エンジン
型式 HN01
形式 直列3気筒DOHCターボ
排気量 1199cc
内径×行程 75.0mm×90.5mm
圧縮比 10.5
最高出力 81kW(110ps)/5500rpm
最大トルク 205Nm/1500rpm
使用燃料 プレミアムガソリン
タンク容量 45L

auto sport 2019年11月1日号 No.1517より転載


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