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投稿日: 2020.05.22 17:27

高級クーペにこそ必要だった人間主導のチューニング。レクサスLC500【ベース車両一刀両断‼︎】


クルマ | 高級クーペにこそ必要だった人間主導のチューニング。レクサスLC500【ベース車両一刀両断‼︎】

 
 その原因は、ゆるすぎるコンプライアンス・ブッシュだ。20インチを超える大径タイヤからの入力を逃がす狙いなのだろうが、これが災いして信号などで停止したあとには、ロッキングチェアのように車体が前後に揺れるのだ。

 これはLSでも共通したレクサス車の特徴である。震度4程度では何も感じないくらいの“強者”でなければ、かなり不快な乗り心地である。

 おそらく、開発陣はとにかくハーシュネスを小さくしたかったのだろう。それを実現するためにテスターの数値にこだわってしまうと、コンプライアンス・ブッシュはとにかくゆるくするしかなくなる。

 もっとテストドライバーの能力を信じ人の感覚に基づいてチューニングすれば、これほど酷いことにはならないはずだ。

レクサスLC500のタイヤサイズはフロントが245/45RF20、リヤが275/40RF 20。
レクサスLC500のタイヤサイズはフロントが245/45RF20、リヤが275/40RF 20。

 また、ボディ剛性が不足しているようで、タイヤの接地感は薄い。エンジンルームを見るとストラットタワーの上部がアルミになっているのだが、アルミなのは頂点だけで剛性的には確実に不利な構造になっている。

 おそらく、見た目が立体的なアルミのほうがカッコイイと思ったのだろう……。

 プロモーションとしては「サーキットへ繋がる」というようなフレーズも出ているが、そのままサーキットで性能が発揮できるようなラグジュアリークーペに、何の価値があるのか?

「本質的に高性能で、快適性の高いクーペをベースにレーシングカーを作ったら素性が良かったので、速くてチャンピオンになれました」というのがスジではないのか。

 セラミックのブレーキや快音のV8よりも、まずはマトモな乗り心地がLC500には必要なのだ。

 取り回しや視界を含めて、普通に運転するにあたって不都合な点はない。だからこそ個人的には、タイヤをフロント19インチ、リヤ18インチくらいに落とし、足まわりをセッティングし直して、真のラグジュアリークーペに仕立て直したい素材だと思っている。

レクサスRC Fの後を継ぐ形で2017年にスーパーGT GT500クラスに投入されたLC500は、デビューイヤーで同クラスのタイトルを獲得。また、2018年こそホンダ陣営にタイトルを譲ったものの、2019年も6号車WAKO'S 4CR LC500がチャンピオンに輝くなど、この3年は非常に高い競争力を誇った。
レクサスRC Fの後を継ぐ形で2017年にスーパーGT GT500クラスに投入されたLC500は、デビューイヤーで同クラスのタイトルを獲得。また、2018年こそホンダ陣営にタイトルを譲ったものの、2019年も6号車WAKO’S 4CR LC500がチャンピオンに輝くなど、この3年は非常に高い競争力を誇った。

■レクサスLC500 主要諸元

車体
車名型式 DBA-URZ100-ACUBH
全長×全幅×全高 4770mm×1920mm×1345mm
ホイールベース 2870mm
トレッド 前/後 1630mm/1635mm
最低地上高 135mm
車両重量 1940kg
乗車定員 4名
駆動方式 FR
トランスミッション 10速AT
ステアリング 電動パワーステアリング
サスペンション前/後 マルチリンク(スタビライザー付)/マルチリンク(スタビライザー付)
ブレーキ 前/後 ベンチレーテッドディスク/ベンチレーテッドディスク
タイヤサイズ 前:245/45RF20 後:275/40RF20
エンジン
型式 2UR-GSE
形式 V型8気筒
排気量 4968cc
内径×行程 94.0mm×89.5mm
最高出力 351kW(477ps)/7100rpm
最大トルク 540Nm(55.1kgm)/4800rpm
使用燃料 無鉛プレミアムガソリン
タンク容量 82L

auto sport 2019年11月29日号 No.1519より転載


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