■トヨタ・ヤリスクロス/走行メカニズムは最新設計。クラストップレベルの走りが魅力
■価格帯:179万8000〜281万5000円

2020年夏に発売されたトヨタ・ヤリスクロスは注目度も高く、販売台数も好調だ。その理由は、ライバルと比べて割安に感じる車両価格帯もあるが、全体的な性能が優れていることが大きい。
基本骨格はヤリス譲りのGA-Bプラットフォーム、パワートレインも熱効率に優れる1.5リッター直列3気筒のダイナミックフォースエンジンを採用するなど、車体設計やメカニズムは最新設計となる。
また、第二世代のトヨタセーフティセンスを採用するなど、走行性能の充実ぶりも際立っている。
先駆けて発売されたヤリスは、走り自慢のコンパクトハッチだが、ヤリスクロスもその美点は受け継いでおり、クラストップレベルの走りと省燃費性能を持っている。
室内空間は、ヤリスと比べてひと回りほどサイズアップ。後席と荷室は広いとは言えないものの、実用的なスペースが確保されている。
車載ITもDA(ディスプレイオーディオ)が装着されるなど充実ぶりが光る。その一方、内装の仕立てや素材感はベーシックカー相応で、他の長所と比べるとやや見劣りしてしまう。





【購入ガイド】トヨタ・ヤリスクロスのオススメはG系グレード
ハイブリッド車とガソリン車の価格を同等グレードで比べるとその差は40万円弱。燃費はハイブリッド車が優れるが、ガソリン車の燃費も優秀なだけに、パワートレインがもたらす走りの違いで選ぶのがいい。
グレードは3タイプ(ガソリン車は4タイプ)選べるが、ガソリン車の最廉価グレードを除けばトヨタセーフティセンスは標準装着となる。
機能的にはベーシックなX系でも十分だが、アルミホイールやオートエアコン、上級ファブリックシートが標準装備となるG系が価格と内容のバランスが優れている。
■ニッサン・キックス/電動走行+優れた実用性。ふたつの武器で勝負する優等生
■価格帯:275万9900〜286万9900円

ニッサン・キックスは車格的にトヨタ・ヤリスクロスの真っ向ライバルだが、e-POWER&上級グレードに絞りこんだことで、ヤリスクロスよりもやや上の立ち位置で、ハイブリッド車で比べても車両価格は少々高めの設定となる。
キックスの強みはe-POWERやプロパイロットなど、上級モデル並みの先進機能が採用されていることだ。
特に安全&運転支援機能は、単眼カメラに加えてミリ波レーダーを併用して検知する最新仕様が装着されており、ACC時の前走車追従制御やLKA時の車線認識力も従来モデルに比べて飛躍的に向上している。ロングドライブで重宝するプロパイロットを目当てに、キックスを選ぶユーザーも多いだろう。
また、実用車としての資質も優秀だ。パッケージ設計は先代ノートをベースにしており、広い室内空間も受け継がれている。
キックスの前席はライバル勢と大差ないが、後席は頭上、足元空間を含めて広々としている。荷室のアレンジ面は平凡だが、広さはひとクラス上のCセグメントクラスに迫る余裕がある。
数々の先進的な装備や機能に目を奪われがちだが、使い勝手の良さもしっかりと考えられたコンパクトSUVだ。




【購入ガイド】ニッサン・キックスのオススメは『Xツートーンインテリアエディション』
キックスのグレードは『X』と『Xツートーンインテリアエディション』のふたつ。違いはボディカラーが2トーンカラー仕様になることと、内装&シート仕様だ。
両グレードともにe-POWERとプロパイロットは標準装備で、ナビユニットはオプションで用意される。価格差は10万円強なので、内外装の好みで選べばいいだろう。