更新日: 2022.12.23 00:47
25周年を迎えたグランツーリスモ。収録コース&車両の選定と製作について山内一典氏がプレゼン
1997年12月23日に産声を上げたグランツーリスモ。山内氏は25年以上前のシリーズの出発点を振り返る。
「グランツーリスモの出発点に自動車文化への憧れ、憧憬がありました。それから物理シミュレーションへの欲望がすごくありました。プレイステーションは、物理シミュレーションをビデオゲームで扱える最初のハードウェアでもあったと思います。同じようにリアルタイム3Dグラフィックスについても、コンシューマーレベルで実現できる初めてのハードウェアだったとこともあり、そのあたりが出発点になっています」
「最初のグランツーリスモはとても実験的な作品でした。それはグランツーリスモ7になってもあまり変わっておりません。当時の私としては実験的にこのようなゲームタイトルを作ってみたいと思っていましたが、それが25年間続くとは想像していませんでした」
また、新しいゲーム機、新しいゲームタイトルだけに、開発には技術面以外にも大きなハードルがあった。
「このグランツーリスモを製作するにあたって、当初はまだプレイステーションもなかったですし、ソニー・コンピュータエンタテインメントという会社も、グランツーリスモもなかったわけですけれど、リアルなクルマを収録することは自動車メーカーの許諾を得る必要がありました。許諾をどうのように得るのかが最初のハードルでした」
「そこで僕は3つの企画書を作りました。ひとつはこれから設立されるソニー・コンピュータエンターテイメントの会社説明のプレゼンテーション。それからその会社が作るプレイステーションというビデオゲームコンソールのプレゼンテーション。そしてグランツーリスモのプレゼンテーションと全部で3部構成になっていました。なかなか自動車メーカーの許諾が得られなかったのですけれども、トヨタ自動車の代表番号に電話をかけて、最終的にある担当者の方に繋がりました」
「池袋のアムラックス(2013年まで営業されていたトヨタ自動車のショールーム)まで行き、その担当者の方にこの3つのプレゼンテーションを2時間半ほどかけてやったところ、その担当者の方が『やってみましょう』と言ってくださいました。そこからは、『トヨタさんがやるならうちも』という感じで、他の自動車メーカーの皆さんも協力していただけることになりました」
プレゼンテーション終盤、山内氏は、グランツーリスモが25年間続いてきた理由を以下のように語った。
「なぜグランツーリスモが25年間続いてきたかについてですが、グランツーリスモは世界とのコミュニケーションをとても大事にしてきました。その中で、さまざまなパートナーであったり、人物であったり、いろいろな人たちとの出会いがありました。それぞれの会社だったり、事物が持っているエネルギーが自然に流れるような。そういう仕組みをグランツーリスモは作ってきたのではないかと思っております」
「エネルギーが、あるところからあるところへ流れるときは最も効率の良い形で渦を作ります。それは川の水面もそうですし、あるいは宇宙の銀河もそうです。そういう渦のような存在、つまり一見そこに静止してあるかのように見えて、実はエネルギーの出入りがあり、つかの間にその姿を保っている。そういう渦のようなものがグランツーリスモなのではないかと思っています」
誕生から25年を迎えたグランツーリスモシリーズ。今後もクルマファン、モータースポーツファンを大いに楽しませてくれる存在に違いない。
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