後席の乗員に快適に過ごしてもらうためには、ドライバーの操作に対して余計な動きや大きな動きが出ては困る。そのためもあって新型アルヴェルはボディを徹底的に強化した(具体的には局所および全体の剛性向上を図った)わけだが、その甲斐あってドライバーの立場でアルヴェルと対峙しても満足のいく仕上がりになっている。2tオーバーの箱形ミニバンが意のままに動くのだ。楽しくないわけがない。
アルファードとヴェルファイアともに2.5リッターハイブリッド車を設定。アルファードのガソリン車は2.5リッター直4自然吸気エンジンとCVTの組み合わせなのに対し、ヴェルファイアのガソリン車はハイパワー&ハイトルクな2.4リッター直4ターボ+8速ATを組み合わせる。




このうち、アルファード2.5リッターハイブリッド車 E-Four(17インチ)、ヴェルファイア 2.5リッターハイブリッド車 E-Four(19インチ)、ヴェルファイア2.4リッター直4ターボ車 FF(19インチ)、アルファード2.5リッターハイブリッド車 FF(17インチ)に試乗した。
2.5リッターハイブリッド車・17インチは極上の乗り心地。同じ2.5リッターハイブリッド車でも、ヴェルファイアの19インチタイヤ装着車は引き締まった乗り味が印象に残る。路面の微細な凹凸や突起をコツッ、コツッとインフォメーションとして乗り手に伝えてくるのが、路面状況を問わず至って平穏なアルファード17インチとの大きな違い。

ヴェルファイアには高い操縦安定性と接地感を提供する目的で、ラジエーターコアサポートとフロントサイドメンバーを結ぶフロントパフォーマンスブレースが追加されている。この特別な設計の効果もあり、明らかに硬派な乗り味となっている(セカンドシートの快適性を損なわない範囲で)。
動力性能面では、2.5リッターハイブリッド車(システム最高出力184kW)でも充分と感じた。ヴェルファイアに専用設定の2.4リッター直4ターボ車(最高出力205kW、最大トルク430Nm)は、それはそれで刺激的だが、2.5リッターハイブリッド車との相対差はそれほど大きくない印象(筆者が鈍感なのは置いておき)。
裏を返せば、2.5リッターハイブリッド車の出来がいいということだろう。ベストバイは2.5Lハイブリッド車。運転も積極的に楽しみたい派は、19インチタイヤが標準の硬派なヴェルファイアがおすすめだ。
