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国内レース他 ニュース

投稿日: 2023.11.15 18:11

TKRI 2023スーパー耐久第7戦富士 レースレポート

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国内レース他 | TKRI 2023スーパー耐久第7戦富士 レースレポート

TKRI

ENEOSスーパー耐久シリーズ2023 Supported by BRIDGESTONE
第7戦 S耐ファイナル 富士4時間レース with フジニックフェス

2023年11月11日(土)〜11月12日(日)
富士スピードウェイ(静岡県)
入場者数:11月11日 9,900人
11月12日 16,600人

FREE PRACTICE
 3月に鈴鹿サーキットで開幕した2023年のスーパー耐久シリーズもいよいよ今季最終戦を迎えた。舞台は、シリーズとしては今季2回目の開催となる富士スピードウェイ。ただ、チームは例年シリーズ第2戦には参戦しておらず、TKRIにとっては初めての富士スピードウェイでのレースとなる。

 今季は第1戦鈴鹿から毎戦表彰台を獲得し続けているTKRI 松永建設 AMG GT3は、この最終戦にシリーズランキング2位で迎えることになった。タイトル獲得の可能性はかなり小さいが、それでも最後はまず優勝を飾り、その上でランキング首位の#14 メルセデスAMGの結果を待ちたい。そんな週末に向けて万全の準備を整えるべく、11月9日(木)からのスポーツ走行に参加した。ただ、このスポーツ走行は通常の特別スポーツ走行とは異なり一般参加車も走ることから、コース上は激しいトラフィックとなっていた。その中でもクルマを壊さぬよう慎重に走行を重ね、まずは初日を終えた。

 ただ、迎えた走行2日目となる11月10日(金)の専有走行1回目途中から雨が降りはじめてしまう。TKRI 松永建設AMG GT3は元嶋佑弥とDAISUKEが交代して周回を重ねたが、午後2時からの専有走行2回目は雨が続き、完全なウエットコンディションとなってしまったことから出走を見合わせ、2日間の走行を終えることになった。

QUALIFY
 事前の天気予報では曇りだった11月11日(土)の予選日だったが、午前9時からのウォームアップも曇り空で、コース上は水が残っている状況。TKRI 松永建設 AMG GT3は元嶋とDAISUKEが走行を重ね、午後1時20分からの公式予選に臨んだ。

 ただ、DAISUKEが出走したAドライバー予選では、コースインした直後から雨が降り出してしまう。チームはとっさの機転でDAISUKEを呼び戻し、急いでウエットタイヤに換装。ふたたびコースインした後、アタックを展開していった。ここでDAISUKEは1分50秒250を記録し、クラス3番手につける。さらに続くBドライバー予選も難しい状況のなかだったが、元嶋が1分46秒728を記録。2番手につけ、合算でも2番手を得ることになった。中山もきっちりとCドライバー予選を終え、TKRIは万全の状況で決勝に挑むことになった。

TKRI 2023スーパー耐久第7戦富士 レースレポート
TKRI 2023スーパー耐久第7戦富士 レースレポート

RACE
 専有走行から不安定な天候となっていた第7戦だが、迎えた11月12日(日)の富士スピードウェイは曇り空。コース上の水も午後0時30分のスタートにはほぼなくなり、ドライコンディションで迎えた。

 TKRI 松永建設 AMG GT3のスタートドライバーを務めたのは、今回も元嶋。得意のスタートダッシュでリードを広げたいところだが、今回ST-Xクラスのライバルたちは全車がスタートドライバーにプロを起用し、さらにペースも速いことから元嶋と言えどなかなかポジションを上げることができない。序盤からスプリントレースのような激しいバトルが展開され、序盤からプッシュをみせた#31 RC F、ポールスタートの#14 メルセデス、さらに#1 GT-Rとの四つ巴の戦いのなか、TKRI 松永建設 AMG GT3は序盤3番手でレースを進めていくことになった。元嶋の全力の走り以上に、今回はライバルたちのペースが強力だった。

 第7戦は全クラス参加のため、コース上の混雑も激しいが、4周目にフルコースイエローが導入されたほかはあまりアクシデント等も起きずに進んでいた。そんななか、元嶋は36周まで周回を重ねるとピットイン。DAISUKEにステアリングを託した。ただその直後、TKRI 松永建設 AMG GT3にまさかのペナルティが課されてしまう。元嶋が走路外で追い抜きを行ったとして、ドライブスルーペナルティが告げられてしまったのだ。今回の決勝では他の車両も数多く走路外走行に関するペナルティを受けているが、元嶋にとっては悔しいペナルティ。各車が一度ピットインを終え順位が落ち着いてくると、TKRI 松永建設 AMG GT3の順位は5番手。とはいえ上位は僅差で、その時点でレースはまだ序盤戦。DAISUKEは諦めることなく上位を追撃していった。

 台数が多い中ながら、DAISUKEのペースは決して悪いものではなく、自らに課せられた33周を走りしっかりと中山にバトンを繋ぐ。レースも中盤を過ぎると気温が低くタイヤのピックアップを訴えるドライバーも多い状況ではあったが、中山はレース後半の36周のスティントをこなし再度ピットイン。最終スティントをふたたび元嶋に託した。ここでチームはトップに返り咲くためにさまざまな戦略を練ったが、最終的に四輪交換を実施。元嶋を送り出し追い上げを期した。

 レース終盤、いまにも雨が降り出しそうな厚い雲がサーキットを覆い、ライトオンが指示されるなかでのレースとなっていたが、そんななか元嶋は最後まで諦めず前を追った。

 ただ追撃及ばず、TKRI 松永建設 AMG GT3は4位でフィニッシュすることになった。今季初めて表彰台には届かず、一縷の可能性があったチャンピオン獲得はならなかった。

 とはいえ、今季のTKRIは大きな躍進を遂げた。第2戦富士を欠場しながらチャンピオンを争うレベルまで成長したことは、チーム、そしてDAISUKEにとっても大きな自信となった。

 チームを創設した片岡龍也が乗り込む#14 メルセデスが今季のチャンピオンを獲得し、隣のピットで喜びに沸くなかTKRIのメンバーは最後まで戦い切った充実感と、一抹の悔しさを胸に抱きサーキットを後にした。

 目標は高い。されど目に見える位置まで来た。TKRIの挑戦は、まだまだ続いていく。

TKRI 2023スーパー耐久第7戦富士 レースレポート
TKRI 2023スーパー耐久第7戦富士 レースレポート

DRIVER’S VOICE
DAISUKE

残念ながら全戦表彰台はならず、そこがいちばん悔しいですね。最後までチャンピオンの可能性がありましたが、そんな経験はなかなかできません。こういう機会を作ってもらえたチームの皆さんに感謝していますし、良い夢を見させてもらいました。富士24時間に出場しませんでしたが、それでもこうしてタイトルを争えたのはすごいことですよね。また一年間を通じていろいろと勉強をさせてもらった部分もありますので、またオフシーズンも精進して来季に繋げ、さらにみんなで強くて、速いチームを一緒に作りあげていきたいと思います。一年間応援ありがとうございました!

元嶋 佑弥  YUYA MOTOJIMA
決勝レースはペースがなかったですね……。その中で少し無理なレースをしていたので、ペナルティを受けてしまいました。チームには申し訳なく思っています。そこを自分が抑えて戦っていけたら、DAISUKE選手も中山選手も良いペースで走れていただけに、表彰台もあり得たと思っています。今回僕は反省です。ただ一年間を通してみれば、すごく楽しい一年間を送ることができたと思います。チャンピオンを争うこともできましたしね。来シーズンもどうしてもチャンピオンを意識してしまいますよね。一年間ありがとうございました!

中山 友貴  YUUKI NAKAYAMA
4位で表彰台を逃した悔しさがありますね。今回は他車が速くペースが苦しかったですが、序盤にペナルティをもらってしまい、ドライブスルーがなければもう少し片岡さんと近いところで面白い展開があったかな……とも思います。でもこれもレースですからね。元嶋選手も気をつけながら走っていてのやむを得ない状況だったと思いますから。一年間安定してレースを進め、みんなで一生懸命戦うことができました。ここで得られたものはとても貴重なもので、本当に楽しい一年でした。感謝しています。来季はどうなるか分かりませんが、またみんなで戦えたらと思います。

河野 高男 監督  TAKAO KOHNO
優勝を狙って最終戦に臨みましたが、速さの面で厳しいところがありました。とはいえ、アベレージとしては悪いレースをしたとは思っていません。レース序盤のドライブスルーペナルティが少し厳しい結果に繋がってしまいましたね。DAISUKE選手、元嶋選手、中山選手とドライバー3人とも頑張ってくれましたが、まだまだと感じる部分もあります。今日の結果がシリーズの結果かな、という気もします。連続表彰台が獲れず悔しいところもありますが、来シーズンもきっと戦えることを願い、来季のリベンジを誓って今シーズンを締めくくりたいと思います!


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