Porsche Team EBI WAIMARAMA 2023スーパー耐久第7戦富士 レースレポート
Porsche Team EBI WAIMARAMA
Super Taikyu RACE REPORT
2023 Round.07 FUJI
ENEOSスーパー耐久シリーズ2023 Supported by BRIDGESTONE
第7戦 S耐ファイナル 富士4時間レース with フジニックフェス
2023年11月11日(土)〜11月12日(日) 決勝レース結果:3位
STEL専有走行
11月10日(金) STEL専有走行1回目/2回目 天候:曇り/雨 路面:ドライ/ウエット
3月に三重県の鈴鹿サーキットで開幕した2023年のスーパー耐久シリーズも、いよいよ今季最終戦を迎えた。舞台となるのは、今季2回目の開催となる静岡県の富士スピードウェイ。第2戦富士SUPER TEC 24時間レースの舞台ではあるが、今季は最終戦として4時間レースが開催される。
Porsche Team EBI WAIMARAMAは、今シーズンここまでトラブルが多く、表彰台を獲得することができていない。十分なスピードを示しているにも関わらず、大事なときにトラブルが出てしまう。特にここ2戦は連続でリタイアを喫しており、再発防止は急務。第6戦岡山ではフライホイールが壊れレースを失ったが、その修復を行い富士スピードウェイに乗り込んだ。
このレースウイークは、10月9日(木)のスポーツ走行からライバルたちは走行を開始していたが、一般参加車も走るため無用なトラブルも多い。Porsche Team EBI WAIMARAMAは、11月10日(金)の午前9時から始まった専有走行1回目で走行をスタートさせた。この日の富士は曇り空で、走行後すぐにポツポツと雨が。チームは山野直也から走行を開始し、修復箇所をチェックし、今回Aドライバーとして復帰した北園将太に交代したものの、すぐに雨が本降りとなってしまった。一時ピットに戻った後、ふたたび山野から走行。北園に交代し1回目の走行を終えた。午後2時から行われた専有走行2回目も雨が続いており、山野と北園で交代しつつ、ウエットコンディションのなか25周を走り走行初日を終えた。
公式予選
11月11日(土) ウォームアップ 天候:曇り 路面:ウエット
11月11日(土) 公式予選 天候:雨 路面:ウエット
迎えた走行2日目、11月11日(土)の予選日は当初の天気予報では曇りだったものの、午前9時05分からのウォームアップは曇り。濡れた路面が残るなか山野と北園が走行し、午後1時20分からの公式予選を迎えた。
一時は天候が好転していたものの、この予選でもふたたびポツポツと雨が舞いはじめる難しいコンディション。そんななか、Aドライバー予選に出走した北園は、1分49秒674を記録。4番手と好位置につける。そして、続くBドライバー予選に臨んだのは、所用のためこの日チームに合流した千代勝正だ。今週初めてPorsche EBI WAIMARAMA Cayman GT4 RS CSをドライブしたにも関わらず、千代は1分50秒591を記録。合算で見事ポールポジションを獲得してみせ、Cドライバーの山野もきっちり予選を終えた。
決勝レース
11月12日(日) 決勝 天候:曇り 路面:ドライ
1万6600人という非常に多くのファンが集まるなか、迎えた11月12日(日)の決勝日。前日まで雨が降るコンディションだったが、この日の富士スピードウェイは曇り空となり、午後0時30分からの決勝レースは、ドライコンディションで迎えた。ただ気温、路面温度がかなり低い。
Porsche EBI WAIMARAMA Cayman GT4 RS CSのスタートドライバーを務めたのは、今週初めてドライコンディションで走行することになった千代。とはいえ、チームが全幅の信頼を寄せるドライバーであり、その期待に応えるかのように、オープニングラップからトップを守ると、後続とのギャップを築いていった。今回は全クラス参加のレースということもありコース上は非常に混雑も激しいが、千代はそんななか危なげなくレースを進めていった。ただ、この後のピットストップでは、Aドライバーハンディキャップの10秒ストップをこなさなければならない。その分のギャップを築きたかったところだが、2番手につける#52 GR Supra、3番手の#885 GR Supraがバトルを展開しながらもペースが速く、なかなか思うようなギャップが築けずにいた。彼らのタイヤはPorsche EBI WAIMARAMA Cayman GT4 RS CSが履くものとは異なっており、決勝に強かった。
Porsche EBI WAIMARAMA Cayman GT4 RS CSは30周を終え、まずは1回目のピットストップを行い、山野直也にステアリングを託した。ここでAドライバーハンディキャップのための10秒が響き、ピットアウト後の順位は3番手。とはいえ、トップ2とはわずかな差しかなく、山野はしっかりとトップを追いながら周回を重ねていく。ただピットでのロスタイムを減らすべく、チームはタイヤ無交換作戦を行っていたが、その分なかなか思うようにペースを上げることができず。ただ山野は63周までしっかりと走行。今度は第3スティントを北園に託した。
レース後半になると雲も厚くなり、気温も下がっていくなか、北園はややペースに苦しんだほか、目前のラップダウンを避ける際にスピンを喫してしまうなど、やや苦しい展開となってしまう。ただ、このスティントでは他にもAドライバーが走っており、北園は彼らに負けじと懸命にドライブ。自らのスティントとなる33周を走りピットイン。ラストをふたたび千代に託した。
終盤、2番手を走る#885 GR Supraとのギャップは10秒強。千代のスピードならば何かあればすぐに逆転できる差だが、そこは相手も強者。最後まで追いつくことはできず、Porsche EBI WAIMARAMA Cayman GT4 RS CSは3位でフィニッシュすることになった。
優勝することはできなかったが、それでも心配されたトラブルは今回は出ず、今季初表彰台でシーズンを終えることができた。苦しい一年ではあったが、この結果は将来に活きるはずだ。
DRIVER COMMENTS
SHOTA KITAZONO 北園 将太
「夢の表彰台がついに叶いました。ドリームス・カム・トゥルーです! ただ僕のペースがもっと良かったり、ミスがなければもっと上もあったかもしれません。僕はEBI GROUPの社員として一年間参加させてもらいましたが、こんな経験は他の会社ではできないことです。唯一無二の経験ができたことを社会に伝えたいですし、夢を諦めたレーシングドライバーたちにも、こういう道があることを伝えたいです。その点で自分は満足していますが、やり残したこともあるので、来年叶うならばもっと上手にできるようにしたいですね」
KATSUMASA CHIYO 千代 勝正
「やっと今季初めて表彰台に登ることができました。第2戦のときもクルマは速かったですし、コースとの相性も良かったので、予選ではタイミング良くタイヤも温められてポールポジションを獲ることができました。決勝ではGR Supra勢が思ったよりついてきましたね。僕たちは10秒ストップもあったのでその分離したかったのですが、タイヤの状況もありそこまではできませんでした。とはいえ、ベストを尽くすことができたのではないでしょうか。トラブルも多い一年だったので、表彰台で終わることができて良かったです」
NAOYA YAMANO 山野 直也
「今シーズン初の表彰台をやっと獲れました。レースについては、正直この路面温度のデータがなかったので、イチかバチかのトライになりましたが、狙いどおりになりました。レースとしてはGR Supra勢が速く、10秒分を築けなかったのが少し誤算でした。北園選手もライバルと肩を並べるくらいで走ってくれたと思います。また最後のピットストップでなぜかエンストしたこともありました。とはいえ大きなトラブルもなく表彰台を獲れたので、一年間やってきて良かったと思いましたね。来年に繋がるレースになりました」