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投稿日: 2024.05.11 17:00
更新日: 2024.05.13 14:45

OTG Motor Sports 2024年FIA-F4第1大会 レースレポート


国内レース他 | OTG Motor Sports 2024年FIA-F4第1大会 レースレポート

FIA-F4選手権2024Rd1-2 富士スピードウェイ
OTG MOTORSPORTS REPORT
#60 OTG DL F4CHALLENGE 熊谷憲太選手

 2015年にシリーズがスタートした『FIA-F4 JAPANESE CHAMPIONSHIP(FIA-F4選手権)』は若手ドライバーの登竜門として、これまでF1ドライバーや国内トップカテゴリーで活躍する多くの選手を排出してきた。

 昨シーズンまでの9年間はF110と呼ばれるマシンを使用していたが、今季から新たな安全基準のもとで設計された『MCS 4-24/TOM’S』へと移行。ただ使用しているタイヤはF110の世代と同様で、エンジンの排気量も同じことからラップタイムは多少の向上に留まっている。やはり、カートからステップアップした4輪レースの入門カテゴリーとしての立ち位置は変わらず、今後も多くの若手ドライバーの才能を磨いていくことになる。

 大阪トヨペットグループは、FIA-F4選手権の理念に共感し、発足当初よりシリーズをサポート。ワンメイクでタイヤを供給しているダンロップとともに、スカラシップ制度の『FIA-F4 JAPANESE CHALLENGE DRIVER』を支援してきた。マシンが替わってもOTGグループの支援は継続され、このスカラシップ制度に選出されるとOTGMotorsportsからシリーズ参戦する権利が与えられる。

 今季はカートからステップアップした熊谷憲太選手が、6代目のチャレジドライバーとしてエントリー。熊谷選手は2005年生まれの18歳で、小学生のころからカートで腕を磨き4輪レースは今季が初めてとなる。

 今季のFIA-F4選手権も全戦がスーパーGTのサポートレースとして開催され、スーパーGT第2戦の富士スピードウェイが開幕戦となった。

●予選5月3日(金)7時45分~8時5分
第1戦15位:1分46秒356
第2戦15位:1分46秒456

 今季の予選は若手ドライバーのチャンピオンクラスと、ジェントルマンや女性がエントリーできるインディペンデントクラスの2組に分かられた。チャンピオンクラスの予選は、3日の7時45分にスタート。

 早朝ながら気温は13℃で天候は快晴、くっきりと富士山が見渡せ新世代のFIA-F4選手権の幕開けらしいコンディションとなった。

 コースオープンとともに走り始めた熊谷選手は、計測2周目に1分47秒に入れる。ただ、トップは1分45秒台をマークしているので、タイムアップを図るがなかなか更新できない。計測7周目に1分46秒356の自己ベストタイムを、10周目に1分46秒456のセカンドベストタイムをマークするが上位勢に肉迫することは難しかった。この結果により、第1戦と第2戦ともに15位で、デビュー戦の予選を終えた。

●第1戦 5月3日(金)12時15分スタート
スタート14位/フィニッシュ10位

 予選終了から約3時間のインターバルを経て、第1戦の決勝レースが始まった。チャンピオンクラスの22台、インディペンデントクラスの12台がグリッドに並び、熊谷選手は1台が出走しなかったため14番手からのスタートとなった。

 熊谷選手は1コーナーまでにポジションをあげて、1周目のコントロールラインを12番手で通過する。だが翌周にはペースに勝る後続車にパスされ、13番手に後退。それでも3周目からは周回ごとに自己ベストタイムを更新。先行車の接触もあり5周目にはポイント圏外が目前となる11番手に浮上する。7周目にはヘアピンで接触した車両を回収するためにセーフティカーが導入され、4周にわたってセーフティカーランとなる。

 11周目にレースは再開すると、直後に先行している2台のマシンが接触し、熊谷選手は9番手に浮上。そのまま14周目に9番手でチェッカーを受けた。しかし、レース後に黄旗区間でのコースアウトによって5秒加算のペナルティが科され、正式結果は10位となった。それでも4輪レースでの初戦でポイントを獲得し、幸先の良いシーズンスタートを切った。

●第2戦 5月4日(土)8時00分スタート
スタート8位/フィニッシュ5位

 第2戦は、予選と第1戦の決勝レースから一夜明けた4日の8時にスタートする。今季からニューマシンに移行したことで、レースウィーク前からエンジンに初期トラブルが頻発し、第2戦は複数台が欠場することとなった。

 予選では15位だったが欠場したマシンの影響によって、熊谷選手は8番手グリッドに並ぶこととなる。ややスタートの蹴り出しが悪かったというが、1コーナーで先行マシンの接触があり6番手に浮上。

 さらに上位を狙いたいところだが、1コーナーでのアクシデントによりセーフティカーが導入される。レースは4周目に再開され、熊谷選手は6番手から先行車を追った。5周目には4番手争いの2台が接触したため、表彰台圏内にせまる4番手に浮上。5周目以降は毎周のように自己ベストタイムを更新していくが、トップ3からは離され後続からプレッシャーを掛けられる。

 終盤は3台により4番手争いとなり、周回ごとに順位が入れ替わる。12周目には5番手、ファイナルラップには6番手となるが、熊谷選手は最終コーナーからの立ち上がりで5番手に復帰し、第2戦を5位で終えた。

熊谷憲太選手コメント

「まずは素晴らし環境でFIA-F4選手権に参戦できることに感謝し、上位を目指せるように努力します。練習走行ではドライとウエットを走ったのですが、走行前に考えていたことが実現できずに焦りがありました。予選は3台くらいの集団で走ったのですが、前に詰まってしまうことがあり、位置取りはもう少し考えないといけません。結果としては15番手で、上位陣とのタイム差もあったため反省が多い内容でした」

「第1戦のスタートはうまくいきましたが、ラップタイムでポイント圏内のマシンに負けていました。バトルでは駆け引きもでき、ポジションを守ることができたと思っています。結果的にポイントが獲れたことは良かったですが、実力差を感じるところもありました」

「第2戦はスタートのクラッチミートが悪く加速が鈍りました。その後はバトルでも負けることなく走れたところもありました。第1戦の後にいろいろとレースの組み立て方を教えてもらい、活かせた部分もあります。2戦連続でポイントを獲れて結果は良かったですが課題も多いので、次戦までに克服できるように頑張りたいです」


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