更新日: 2024.09.19 16:19
T by Two CABANA Racing TOYOTA GAZOO Racing GR86/BRZ Cup 2024 第1戦レースレポート
Rd.1 SUGO
Qualifying
2024.5.11 SAT
#7/27th/1’36.771
#700/10th/1’35.898
#707/1st/1’39.266
●路面コンディション:ドライ
●気温:28℃、路面温度:47℃
プロフェッショナル2台、クラブマン1台で挑む2024年シーズンは707号車の箕輪がコースレコードを更新しポールポジションを獲得
GR86(ZN8)とBRZ(ZD8)に参戦マシンが変更され、3年目を迎えた『TOYOTA GAZOO Racing GR86/BRZ Cup』は、昨年と同じく5月に開幕し、最終戦となる11月まで、月に1大会の開催となる。
今年は、昨年に引き続きチームのエースドライバーとなる堤優威選手が7号車、地頭所 光選手が700号車をドライブしプロフェッショナルシリーズに、そしてロードスター・パーティレースⅢ ジャパンツアーシリーズを連覇し、2023年のGR86/BRZ Cup最終戦でスポット参戦を果たした箕輪卓也選手が707号車でクラブマンシリーズにフル参戦。
箕輪選手は2024年からチームの母体となる株式会社東名に勤務し、社員ドライバーとして上位カテゴリーを目指す。シーズンを通してクラブマンシリーズを戦うのはチームとして初となるが、近年のチームのテーマとする若手ドライバーの育成プログラムの一貫だ。今年も3台体制でエントリーするにあたって、多くのスポンサー様や協賛メーカー様のご支援で参戦が実現している。
昨年は、堤選手が7戦中3度表彰台に上がるも2年連続でのシリーズランキング2位、地頭所選手もポイント獲得1回という悔しい結果となり、今年は昨シーズンの経験やデータを活かしチーム一丸となってより良い成績を求めていく。
GR86/BRZ Cup 2024の開幕戦は昨年と同様に宮城県のスポーツランドSUGOが舞台で、5月10日(金)に専有走行、11日(土)に予選、12日(日)に13周の決勝レースが行われた。チームは5月9日(木)から走行を開始する。堤選手はスーパーGTのテストと重なったため走行しなかったが、700号車と707号車は持ち込みの状況を確認しつつ、決勝レースを想定した走行を実施。
10日(金)は雲ひとつない青空の中、午前中に特別スポーツ走行が、午後にはタイム計測のある専有走行枠が設けられた。13時15分から行われたクラブマンシリーズの専有走行では、箕輪選手が1分39秒825のトップタイムを記録。14時00分から開始したプロフェッショナルシリーズの専有走行では堤選手が1分35秒584で3番手、地頭所選手は1分35秒835で10番手となり、翌日の予選に期待が持てる結果となった。
予選が行われた11日(土)は、朝から気温が上がりこの時期とは思えない暑さとなる。12時55分から始まったクラブマンシリーズの予選は、コースオープンとともに箕輪選手を含めた全体の半数がアタックを開始。アウトラップ後の計測1周目で1分39秒266のタイムを記録する。後半になると、残り半数のマシンがアタックを行うが箕輪選手のタイムは更新されることはなく、見事にコースレコードでポールポジションを獲得した。
13時25分に始まったプロフェッショナルシリーズの予選は、コースオープンとともに堤選手と地頭所選手がコースイン。堤選手が1分35秒429を記録して、ブリヂストンタイヤ勢ではトップで全体の4番手となるが、SPコーナー出口で『走路外走行』をとられ、当該ラップタイムが削除されてしまう。続けて2周目の計測を行うものの、1分36秒771で27番手。堤選手に続いてアタックに入った地頭所選手は、ミスなく1周をまとめてトップから0.5秒差の1分35秒898で10番手から決勝レースをスタートすること
となった。
Final
2024.5.12 SUN
#7/21th/21’43.938
#700/28th/22’16.435
#707/2nd/40’45.990
●路面コンディション:ドライ
●気温:21℃ 路面温度:36℃
箕輪はスタートでかわされ、終始プレッシャーを掛けるが2位。後方からスタートした堤は、狙いどおりのファステストラップを記録
5月12日(日)も早朝から好天となるが、日差しの強い午後に実施された専有走行や予選ほど気温が上がらないなかで、GR86/BRZCup 第1戦の決勝レースが13周で争われた。9時45分からクラブマンシリーズのスタート進行が始まると、39台のさまざまなカラーリングのマシンがコース上に並び華やかな雰囲気となる。
予定どおりの10時00分からフォーメーションラップが始まり、決勝レースがスタートした。ポールポジションの箕輪選手は、順調なスタートだったものの2→3速へのシフトアップでロスしたため、1コーナーでひとつ順位を落としてしまう。その後は2番手のまま周回を重ね、徐々に後続との差を拡げてトップにプレッシャーをかけるが、オーバーテイクが難しいコース特性もあり我慢のレースとなる。
8周目の最終コーナー立ち上がりでクラッシュがあり、9周目にセーフティーカーが導入されるが、直後に赤旗が提示されレースは一時中断となる。車両の回収とコースの復旧作業が行われ、約20分後の10時38分からセーフティーカー先導でレースが再開される。箕輪選手はリスタート後もペースが良く、11周目の馬の背コーナーでアウト側からオーバーテイクを試みるが巧みに防がれてしまい、最終的に2位でチェッカーを受けた。
クラブマンシリーズの決勝レースで中断があったため、予定より約15分遅れとなる10時55分よりプロフェッショナルシリーズのスタート進行が始まる。11時10分にフォーメーションラップが開始され、決勝レースが13周で争われた。
27番手からのスタートとなった堤選手は、ファステストラップを記録した選手に与えられる1ポイントを獲得する戦略を獲った。2周目には狙い通りに、プロフェッショナルシリーズの31台の中でもっとも速い1分36秒555をマークし、貴重なポイントを獲得。その後のレースペースも良かったため、最終的には21番手まで順位を上げレースを終えた。
10番手からポイント獲得を目指した地頭所選手は、オープニングラップのポジション取りや混乱のなかで順位を3つ落としてしまう。その後も前日までのパフォーマンスが発揮できず、9周目にさらにふたつポジションを下げる。そして、11周目の4コーナーからS字では混戦のなかで他車と接触してしまう。ファイナルラップで順位を上げ13位でチェッカーを受けたが、11周目の接触でペナルティを受け、正式結果は26位となった。
昨シーズンの開幕戦は2台がポイントを獲得していたため、今季も幸先の良いスタートを切りたかったが、プロフェッショナルシリーズは厳しい内容だった。クラブマンシリーズは初のシーズン参戦となった箕輪選手が、ポールポジションから2位表彰台となるが、予選の走りを考えると悔しい結果となった。
第2戦は、6月16日に大分県のオートポリスで開催される。オートポリスは、ここ数年チームとして良い結果を残せていないコースのため、課題を洗い出し、準備と対策を行っていきたい。
Team Staff&Drivers Comment
安藤宏 チームオーナー
「まずは、今シーズンも参戦するにあたり多くのご支援をいただき感謝申し上げます。今季はプロフェッショナルシリーズ2台、クラブマンシリーズ1台の3台体制となり、ともにシリーズチャンピオンを狙うシーズンと考えています。箕輪選手は昨年の最終戦にスポット参戦しましたが、実質はGR86/BRZ Cupの初戦です。専有走行、予選とトップタイムをマークし将来性を示すことはできたと思っています。ただ、決勝レースはスタートや展開に課題がみえました」
「一方のプロフェッショナルの2台は厳しい結果でした。堤選手はファステストラップを記録したものの、選手権を狙う立場としては出遅れとなりました。地頭所選手は予選で10位となりましたが、このレースの中団争いの厳しさを改めて実感しました。決勝レースの悪い展開は昨年も課題であり、改善が急務です。次戦では3台ともに好結果が出せるように、対策を施していきます」
堤優威 #7 CABANA BS GR86
「レースウイークは金曜日からの参加でしたが、走り始めから好調さを感じていました。ライバルとなるダンロップタイヤを履くマシンが速いなかで、路面コンディションによってはトップが狙える状態でした。予選ではSPコーナーで行きすぎてしまい、ベストタイムが抹消されてしまいました。もし、計測結果が残っていればブリヂストン勢のトップだったので、27番手は悔しい結果で、チームとスポンサーの皆さまに申し訳ありませんでした」
「決勝レースはファステストラップを狙う作戦に切り替え、実践できました。短い走行機会の中でもトップを狙える状況にはあったので、次戦はしっかりと結果に繋いでいきます」
地頭所光 #700 DTS WRF/カバナ GR86
「2年目のシーズンになるのですが、事前のテストから手応えを感じて開幕戦に臨みました。木曜日のスポーツ走行では持ち込みの状況を確認するとともにセットアップの調整を行い、専有走行と予選では久々にトップ10内に入ることができました。持っているパフォーマンスは発揮できたと思いますが、コンマ1秒でも上げることができれば、さらに上位からスタートできたので課題もあります」
「決勝レースは悪くないスタートで戦略どおりのポジション取りだったと思いますが、混戦に飲み込まれたことやラップタイムが伸びず後方のマシンに捕まってしまいました。終盤には接触してしまい、ペナルティを受けました。ポイント圏内を狙っていただけに、応援してもらっている皆さまに申し訳ないです。次戦に向けては、この結果を見直して準備を進めたいです」
箕輪卓也 #707 ミノワファクトリー/カバナ GR86
「レースウイークは気温と路面温度が高く、テストでもこのような状況で走ったことがなかったので、いろいろとセットアップを試しました。その中で専有走行と予選でトップが獲れたことは良かったです。予選は1分39秒台の前半が出せる状態だと考えていましたが、コースレコードまで届くとは思っていませんでした」
「ただ、決勝レースはポジションを落してしまったので、表彰台には登れましたが反省点の多い内容でした。とくにスタートが悪かったので、次戦までに改善しなければいけません。ラップタイムは勝っていても抜けないことは実感できたので、決勝レースではスタートや展開などを考えていきたいです」
「シーズンオフには、数回のテスト走行の機会を設けてもらい十分な準備が行えました。堤選手は金曜日からの走行でしたが、短い時間で集中してマシンの合わせ込みができ、予選ではブリヂストン勢の最上位のタイムを記録できましたが、残念ながら走路外走行の判定で下位となりました」
「決勝レースでは、狙える最大限の1ポイントが獲れました。2年目となる地頭所選手は、事前のテストから昨年以上の手応えを感じています。結果として予選ではトップ10に入り、ポイント獲得が見える順位でした。ただ決勝レースは混戦に飲み込まれ、厳しいレースでした。シーズン初参戦の箕輪選手はテストから好調で、専有走行、予選とともにトップタイムをマークできました」
「決勝レースは課題がありますが、良い経験が積めていると思います。プロの2台は想定した結果が得られなかったので、次戦ではトップ争いができるように準備していきます」