更新日: 2024.05.29 12:02
福住仁嶺とバゲットが語る初めてのスーパー耐久と富士24時間「想像していた以上に過酷な戦い」
さらにHパターンのマニュアルシフト操作をしながらレースをするというのも、福住にとってはほぼ初めての経験。「僕は(4輪レースは)フォーミュラから始まり、Hパターンの車両をレースで乗ることはほとんどなかったので……難しかったですね」と語る。
「このクルマはシフトダウンするときにヒール・アンド・トゥはしなくて良いのですけど『クラッチを何回踏まないといけないんだろう』と思うくらいでした。僕たちのクルマは(GT500などと比べると)スピードが遅いとはいえ1分57秒くらいのペースで常に走っているので、それなりに体力も使います。左腕と左足を今までにない使い方をしたので……ちょっと筋肉痛です」
さらに福住は参戦しているドライバーについても注目していた。
「ジェントルマンドライバーをはじめ、いろいろなドライバーが走っていますけど、みんなが努力をしてレースをしてるからこそ成り立っているカテゴリーだと思いました。各クラスのスピード差もかなりあるなかで、大きなクラッシュなどでレースが中断することなく24時間を終えられたということは、しっかりと走行できる人たちが集まってるからこそできることだなと、かなり感心しました」
今回の富士24時間レース参戦で、多くの発見があったという福住。
「またスーパー耐久に出てみたいというのもありますし、ROOKIE Racingさんとこういった開発をやっていきたいという思いが強く、実際に今回もそこから学ぶことがいろいろとありましたし、多くの方とコミュニケーションを取る時間もあり、クルマの知識も増えていきました。ST-Qクラスはさまざまなことを試せるので、普段はそんなに名前が出てこないようなパーツをいじったりすることもあり、僕もすごく勉強になりました。ぜひ、また挑戦したいです」と、現場での次回スーパー耐久参戦予定は未定ではあるものの、再挑戦に関しては意欲をみせていた。
富士24時間のレースと雰囲気に満面の笑みのバゲット
一方、ル・マンなど24時間レースの経験は豊富ではあるものの、スーパー耐久と富士24時間は初めての参戦だったというベルトラン・バゲット。彼は現在スーパーGTで所属するTEAM IMPULのNANIWA DENSO TEAM IMPUL Zから参戦した。
「初めての富士24時間だったけど、すごく楽しむことができたよ。なかでも一番コンペティティブなST-Zクラスから参戦して、初めてGT4マシンに乗ったけど、すごく良いクルマだった」
「もちろんGT500と比べるとスピードは遅いけど、十分に楽しむことができたし、たくさんのクラスの車両がコース上にいて、常にトラフィックという状況だった。他のクラスを追い抜きながら、ときどきやってくるGT3マシンを前に行かせたりと……、常に何かしらをしているという状況だった」とバゲット。
夜間スティントをメインで担当したというが、今年は一時雨が降ったことでタイヤ選択に悩むコンディションとなった。
それでもバゲットは「最初はウエットコンディションをドライタイヤで走り、次のスティントではウエットタイヤに履き替えたけど、雨が止んでドライコンディションで我慢しなければいけなかった。だけど、すごく面白かったよ!」と満面の笑み。
「金曜日の夜からゲート前に入場を待つ(ファンの)クルマの列ができていたし、24時間レース中も多くの人がパドックにアクセスして、良い雰囲気だったね。すごく楽しむことができたよ」と、すっかり富士24時間の雰囲気を気に入った様子だった。