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投稿日: 2024.06.05 19:10
更新日: 2024.06.05 19:12

OTG Motor Sports 2024年FIA-F4第2大会鈴鹿 レースレポート


国内レース他 | OTG Motor Sports 2024年FIA-F4第2大会鈴鹿 レースレポート

FIA-F4選手権2024Rd3-4 鈴鹿サーキット
OTG MOTORSPORTS REPORT
#60 OTG DL F4CHALLENGE 熊谷憲太選手

 2015年にシリーズがスタートした『FIA-F4 JAPANESE CHAMPIONSHIP(FIA-F4選手権)』は、国内外のトップカテゴリーで活躍している多くのレーシングドライバーを輩出してきた。

 昨シーズンまでの9年間はF110と呼ばれるシャシーを使ってきたが、今季よりマシンが刷新され、コクピットにはドライバーの頭部を保護するHaloが装備され安全基準が引き上げられたほかに、ボディサイズも拡張している。エンジンは排気量こそ変わらないものの『TOM’S TMA43』が採用され、マシンは全面的に新世代へと移行。

 ただ開幕戦では、この新型マシンに不具合が起こってしまう。シーズンオフのテストも含めてエンジンに不調をきたすマシンが複数台あり、5月3〜4日に富士スピードウェイで実施された開幕戦のレースウイークでもエンジンブローが発生。このためいくつかのエントラントは、安全性のために5月4日の第2戦を欠場したのだった。

 開幕ラウンドから約3週間のインターバルで、サプライヤーからエンジンハーネスやマウントなどに対策部品が導入され、第2大会のレースウイークではエンジン不調を訴えるマシンはなくなった。

 若手ドライバーの支援を目的とするFIA-F4選手権では、大阪トヨペットグループとダンロップタイヤが共同で支援している『FIA-F4 JAPANESE CHALLENGE DRIVER』のスカラシップがあり、今シーズンは6代目となる熊谷憲太選手が起用されている。

 OTG motorsportsから年間エントリーしている熊谷選手は、若干18歳のドライバーでフォーミュラのレースは今季が初となるが、開幕ラウンドでは2戦ともにポイントを獲得し、第2大会以降の活躍が期待された。

 連続して入賞を狙うこととなる第3戦、第4戦は鈴鹿サーキットが舞台で、6月1日(土)に予選と第3戦の決勝レース、2日(日)に第4戦の決勝レースが実施された。

●予選 6月1日(土) 8時35分~8時55分(チャンピオンクラス)
第3戦:12位/2分8秒682
第4戦:13位/2分9秒025

 FIA-F4選手権の今シーズンの予選は、若手ドライバーが集うオーバーオールのチャンピオンクラスと、ジェントルマンドライバーや女性ドライバーがエントリーできるインディペンデントクラスの2組に分けられている。

 チャンピオンクラスにエントリーしている熊谷選手は、同クラスの予選がスタートした8時35分になるとコースイン。前回の予選では、先行車との間合いが合わなかったが、今回は適切なタイミングでアタックを開始する。

 2周のウォームアップ後を挟み、3周目に2分09秒693をマーク。翌周には2分8秒682までタイムアップを図る。ただ、1周の距離が長い鈴鹿サーキットは、ミスなく走ることが難しくタイムが伸びない。

 計測6周目にはセカンドベストタイムとなる2分9秒025を刻むが、これ以上のタイムアップは難しいと判断し、タイヤを温存することを考えて7周を走行して予選を終えた。

●第3戦 6月1日(土)14時00分スタート
スタート11位/フィニッシュ17位

 予選終了から約5時間のインターバルを経て、11周で競われた第3戦の決勝レースは14時にスタートする。

 熊谷選手は予選では12位だったが、上位のマシンがグリッド降格のペナルティを受けたために11番グリッドから上位を狙った。だが、スタート時のクラッチミートが早かったということでエンジンがストールしてしまう。

 再始動はできたものの、ほぼ最後尾となる32番手までポジションを落す。決勝レースは1周目からクラッシュした車両を回収するためにセーフティーカーが導入され、荒れた展開となる。

 3周目にリスタートすると、4周目には28番手、5周目には25番手と後方集団のマシンを次々にパスしていく。

 しかし、8周目にも再びセーフティーカーが導入され追い上げは阻まれ、残り2周でレースは再開。その後も中盤と同じペースで追い上げて11周目に18番手(チャンピオンクラス17位)でチェッカーを受けた。

●第4戦 6月2日(日)8時40分スタート
スタート13位/フィニッシュ12位

 第4戦の決勝レース日となった2日(日)は、早朝から雨が降ったものの雨はすぐに止み、一部の路面は濡れていたがスリックタイヤを履いてコースイン。

 熊谷選手は13番手から11周の決勝レースに挑んだ。無事にスタートを決めると1コーナーとヘアピンで2台をパスし、11番手で1周目を終える。ポイント圏内を狙う熊谷選手は、2周目の最終コーナーから3周目の1コーナーで10番手のマシンに並び掛け前に出たが、やや勢いが余りオースオフを喫する。

 この瞬間に並び掛けたマシンは先行し、さらに1台にパスされ12番手に後退。5周目にも1台にパスされ13番手に後退。それでも7周目には自己ベストタイムの2分9秒701をマークし、テール・トゥ・ノーズの先行車を追う。

 終盤は9番手争いのグループに追いつきチャンスをうかがったが、そのままの13番手で11周目にチェッカーを受けた。正式結果では12番手のマシンにペナルティが与えられ、12位となった。

熊谷憲太選手コメント

「開幕戦も同様だったのですが、そのあとの鈴鹿サーキットでのテストでもコーナリングの姿勢について課題があるとコーチをしてもらっている伊東黎明選手に指摘されました。レースウイークでは練習走行からその課題を意識して走り、予選では多少ですが改善できたと感じています。開幕戦では予選でのポジション取りが悪かったのですが。この部分も気にして走りました。上位陣とはタイム差がありましたが、持っているパフォーマンスは発揮できたと思います」

「決勝レースは第3戦のスタートでエンジンストールを喫して、最後尾に下がってしまいました。クラッチミートや始動のやりかたなどを考え直して、二度と同じ失敗はしないようにします。第4戦のスタートはうまくいき、1周目に2台をパスできました。ただ、レースの組み立てが悪く、パッシングするときに順位を下げてしまいました。入賞できるチャンスがあったのに自分のミスで失ったことが悔しいです。セットアップも含めて課題は多いので、テストなど貴重な時間を無駄にせず、しっかりと準備していきます」

熊谷憲太(OTG DL F4CHALLENGE)
2024年FIA-F4第2大会鈴鹿 熊谷憲太(OTG DL F4CHALLENGE)


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