スーパーカーレース 第1戦/第2戦 レースレポート
特にCARGUY ROGER DUBUIS Huracan GT3の木村はオープンにとなった時点で30秒もの大量リードを得ていただけに、それをさらに広げようという算段なのだろう。
11周目にまずは2番手のTaiwan Top Speed Huracan GT3がピットイン。ここでサムソン・チェンに交代する。そして、13周目にはトップの木村もピットに戻り、アフィク・ヤジッドにバトンを託すことに。
素早い作業も後押しして、ヤジッドがコースに戻ると、チェンとの差は1分近くにまで広がっていた。
一方、KSD RACING SLS GT3はピットクローズドになって、間もなく入ってきたではないか! 「ちょっと緻密に計算しすぎて、逆に計算が狂ってしまった」と語るのは佐藤のパートナーである平中克幸。
Taiwan Top Speed Huracan GT3への猛追体制を整えたのも束の間、ドライビングスルーペナルティが命じられ、3番手はそのままながら、大きく差を広げられてしまう。
そんな後続の波乱をよそに、木村以上の速さを見せていたのがヤジッドだった。16周目には1分39秒048を記録してファステストラップを更新したばかりか、次の周には38秒684にまで叩き込んでしまったのだ。
その後もアクセルを少しも緩めることなく快走、CARGUY ROGER DUBUIS Huracan GT3は1分29秒もの大差をつけて圧勝。木村とヤジッドが表彰台の中央で笑顔を見せることとなった。
「予定どおり確実に勝つことができました。プロ(ヤジッド)の速さも凄かったけれど、僕も昨年より1秒半も早く周回でき、自分の進化も感じることができました」と木村。
「明日はハンデ(優勝するとピット停止時間を15秒追加)があるので厳しい戦いになるのは覚悟していますが、また頑張ります」
総合4位はGT4/N1クラスをも制した、BRP★Audi RS3 LMSの奧村浩一と秋吉圭が獲得。同じクラスのライバルを少しも寄せつけなかったばかりか、全車を周回遅れに。
「レースは楽勝。練習を兼ねての参戦でしたし。ただS耐の時に出ていた燃料系のトラブルは、まぁまぁ大丈夫だったんですが、完全には解決していなかったので、ちょっと心配。明日のレースで出ないとも限らないですから……」と奧村。
CUP1クラスは、小山からCARGUY RUF Huracan STを託されたばかりのケイ・コッツォリーノがアクシデントに見舞われた。1周目のストレートで左のリヤタイヤがバースト。
巧みにコントロールしてクラッシュは逃れたが、ピットに戻ることは許されなかった。「実は昨日の練習中にもバーストしているんです。多分キャンバーが合っていないんでしょう」とコッツォリーノ。完走扱いとなって優勝という結果が残されたものの、心境は複雑だろう。
なお、日曜日に行われる第2戦決勝レースのグリッドは、第1戦のベストタイム順に決められるため、木村とヤジッドがドライブするCARGUY ROGER DUBUIS Huracan GT3が再びポールポジションからスタートを切る。
これに続くのは佐藤と平中のKSD RACING SLS GT3。第1戦の無念を晴らせるか注目したいところである。